日医ニュース 第980号(平成14年7月5日)

「日医医薬品併用禁忌データベース」を公開


 西島英利常任理事は,六月十八日に記者会見を行い,「日医医薬品併用禁忌データベース」が六月十九日からインターネットのhttp://www.orca.med.or.jp/で公開されると発表した.
 「併用禁忌」とは,医薬品の組み合わせによって,人命を左右するほどの危険があるケースをいうが,現在では,製薬メーカーから出される添付文書に頼っているのが現状.この添付文書は,表現が曖昧で解釈に個人差が生じることがある,禁忌の相手薬剤を特定できない,情報が限られているなどの問題がある.
 一万六千種類に及ぶ医薬品の併用禁忌を,医師がすべて記憶することは不可能であることから,西島常任理事は,「医療安全の面からも重要なデータベースになる」と説明した.
 また,西島常任理事は,「データベースの構築にあたって,曖昧,不明な部分は製薬メーカーに問い合わせている.従来の添付文書は,新しい薬との相互作用が書かれていないという重大な問題がある.今後,電子カルテが広まってきた場合,それに組み込むことも考えており,医師に対する重要な情報の提供になると思う」と述べた.
 さらに,「後発品メーカーが,先発品メーカーの添付文書をそのまま掲載するのは,自己責任の放棄である」と加え,実際には,先発品,後発品の成分が微妙に違うことがあるので,後発品メーカーは情報をしっかり提供すべきと問題点を指摘.
 国が内容を保証した全医療用の医薬品ならびにメーカーの完全なリストが存在しないので,厚生労働省はこれを直ちに整備すべきであるとも述べた.


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