重症急性呼吸器症候群(SARS)は,いまや最重要感染症として世界的対応が求められており,まさに感染症有事ともいえる状況と認識しています.
現在,我が国においては,かろうじて水際作戦が成功しているものの,いつ患者が発生するかもしれない状況にあります.重要なことは,国民に対する重症急性呼吸器症候群(SARS)についての迅速かつ正確な情報提供であります.
日本医師会においては,初期診療態勢に,更にまた国民に対する広報活動にも全力をあげて取り組んでおります.
重症急性呼吸器症候群(SARS)を含めた感染症対策は初動防疫体制が肝心であり,国を挙げて以下の点について全力で取り組まれるよう強く要望いたします.
一.国民に対する重症急性呼吸器症候群(SARS)についての情報提供の強化及び徹底
二.検疫体制の強化
三.重症急性呼吸器症候群(SARS)に対する搬送を含めた初動対応の強化
四.不法入国者への警戒体制の強化
平成十五年五月二十二日
日本医師会 会長 坪井 栄孝
内閣総理大臣 小泉純一郎 殿
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