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第1009号(平成15年9月20日) |
SARS防護キットを地域医師会へ配布
雪下國雄常任理事は,九月二日に行われた定例記者会見で,今冬にSARSが流行した場合に備え,N95マスク,ガウン,手袋の三点セットを日医が都道府県医師会および郡市区医師会に一医師会あたり十セットずつ配布することを明らかにした.
SARSは冬場に猛威を振るうともいわれており,症状が似ているインフルエンザと同時に流行した場合の対応が懸念されている.各都道府県においてSARSの感染の疑いのある者を,対応可能な特定の医療機関に誘導する体制が整備されつつあるが,伝播地域がない現状においては,国民は自分がSARSであるかどうか判断がつかないため,SARSの疑いのある患者が一般の医療機関を突然受診することが考えられる.
このため,一般の医療機関から指定の医療機関に搬送するまでの間,地域医師会から医療機関に,ただちにマスク等を配布できる体制を整備することを目的としており,発送は十月上旬頃を予定している.
また,日医が厚生労働省に強く要望した結果,一保健所あたり百セットのマスク等の補助金の交付も実現する予定であり,補助金の交付先は保健所であるが,備蓄先を地域医師会にすることも可能である.
雪下常任理事は,日医での準備と国の補助による体制との二つの枠組みで,この冬に向けて対応していきたいとした.
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