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第1054号(平成17年8月5日) |

青木常任理事
「臨床心理士及び医療心理師法案」について日医の見解を公表

同日,青木重孝常任理事は,臨床心理士・医療心理師の国家資格化に係る「臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子」についての日医の見解を公表した.
本骨子については,現在,超党派の二つの議員連盟で議論されている.
青木常任理事は,「日医は,日本精神科病院協会および日本精神神経科診療所協会と本法案についての協議を重ね,医療の観点からの助言をしてきたが,内容をみると修正すべき点が多く,未熟な状態にある.今後さらに検討を続けるべきだ」と述べたうえで,日医が考える問題点として,次の二点を挙げた.
(一)臨床心理士の業務範囲が広すぎる.
例えば,疾患に起因する抑うつ状態の患者さんが,精神医学的診断を経ずに臨床心理士のカウンセリングのみを長期間続ける可能性があり,結果として医療機関での受診・治療を遅らせることになりかねない.
(二)臨床心理士・医療心理師とも名称独占のみで業務独占が認められていない.
診療の補助行為としての扱いではないことから,保健師助産師看護師法(保助看法)が解除されておらず,医療の外にある法案であり,看護師と同じような立場で業務に当たることが不可能.
また,「心理技術者の資格化は,精神科医療にとって長らく待ち望まれたものである.日医としても,これら臨床心理士・医療心理師などの職種についての身分法の制定は必要だと考えており,この火が消えることは何としても避けたい」と強調し,法案が白紙撤回されることへの危惧を表明した.
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