日医ニュース
日医ニュース目次 第1068号(平成18年3月5日)

櫻井副会長・松原常任理事が記者会見
国民のために次回はプラス改定に

日医の考えを説明する
櫻井副会長(左)と松原常任理事
 中医協が,平成十八年度の診療報酬改定に関する答申を取りまとめたことを受けて,櫻井秀也副会長と松原謙二常任理事は,二月十五日,厚生労働省で記者会見を行い,改定内容に関する日医の考えなどを改めて説明した.
 櫻井副会長は,まず,「今回はマイナス改定であったために,医学・医療の進歩,医療の質の向上,医療の安全の確保等に対する十分な配慮ができなかった」と改定に対する不満を表明.そのうえで,次回改定に対しては,「財政主導による診療報酬の引き下げは国民にとって不幸なことである.国民の健康を守るためにも,ぜひプラスの改定にすべきである」と要望した.
 また,領収証の発行が義務化されたことについて,医療現場に混乱を来さないような配慮を求めたほか,DPCに関しては,得られる医療の効果や質の向上のエビデンスが不明確なままでの対象病院の拡大に慎重な考えを示した.
 一方,松原常任理事は,「マイナス改定ということで,どこかを削らなければならず,大変つらい立場であったが,医師の技術料に関する点には,できるだけ触れないように,また,国民や医療機関には大きな迷惑がかからないように配慮したつもりである」と今回の改定議論を振り返ったうえで,議論のなかで問題になった点として,(1)初・再診料の引き下げ(2)領収証の発行の義務化─の二点があると指摘.(1)については,「医療機関にとっては骨組みに当たる部分であり,その引き下げには強く反対してきた.この件については,大幅な引き下げを求める支払側と十分議論してきた」と述べたほか,(2)については,義務化によって現場に混乱が起きることのないよう,引き続き努力していくとした.
 また,今回の改定のなかで評価できる点として,急性期入院に対して手厚く対応することができたこと,消炎鎮痛等処置の同一月内逓減制が廃止されたことなどを挙げた.

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