日医ニュース
日医ニュース目次 第1074号(平成18年6月5日)

資料版
平成16年 国民健康・栄養調査結果の概要について(厚生労働省)
〜メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況〜

調査の目的
 この調査は,健康増進法(平成14年法律第103号)に基づき,国民の身体の状況,栄養素等摂取量および生活習慣の状況を明らかにし,国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的とする.

調査対象および客体
 調査の対象は,平成16年国民生活基礎調査において設定された調査地区内の世帯の世帯員で,平成16年11月1日現在で満1歳以上の者とした.
 調査実施世帯数は,3,421世帯であり,集計客体数は,身体状況調査7,689(男3,556,女4,133),血液検査3,932(男1,549,女2,383),栄養摂取状況調査8,762(男4,135,女4,627),生活習慣調査9,345(男4,428,女4,917)であった.

◆メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況
 20歳以上において,メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者の割合は,男性23.0%,女性8.9%,予備群と考えられる者の割合は,男性22.6%,女性7.8%と,いずれも男性で高くなっていた.
 また,強く疑われる者の割合は,男性では40〜50歳代で約2割,60歳以上で約3割であり,強く疑われる者に予備群と考えられる者を併せた割合は,男性では30歳代の約20%から40歳代で40%以上,女性では30歳代の約3%から40歳代で10%以上と,男女とも40歳以上で特に高くなっていた.
 40〜74歳でみると,強く疑われる者の割合は,男性25.7%,女性10.0%,予備群と考えられる者の割合は,男性26.0%,女性9.6%であり,40〜74歳男性の2人に1人,女性の5人に1人が,メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者または予備群と考えられる者であった.

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況(20歳以上)

【参考】
 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者:腹囲が男性85cm以上,女性90cm以上で,3つの項目(血中脂質,血圧,血糖)のうち2つ以上の項目に該当する者.
 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予備群と考えられる者:腹囲が男性85cm以上,女性90cm以上で,3つの項目(血中脂質,血圧,血糖)のうち1つに該当する者.

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者・メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予備群と考えられる者(図)

◆腹囲区分別,血中脂質,血圧,血糖のいずれかのリスクを有する状況
 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準の1つである腹囲が男性85cm以上,女性90cm以上の者は,未満の者に比べ,いずれの年齢階級においても,メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の疑いの判定項目である,血中脂質,血圧,血糖のいずれかのリスクを2つ以上有する割合が高かった.
 また,血中脂質,血圧,血糖のいずれかのリスクを2つ以上有する割合は,男女とも年齢とともに増加していた.

腹囲区分別,血中脂質,血圧,血糖のいずれかのリスクを有する割合(20歳以上)

【参考】
 メタボリックシンドロームの診断基準(日本動脈硬化学会,日本糖尿病学会,日本高血圧学会,日本肥満学会,日本循環器学会,日本腎臓病学会,日本血栓止血学会,日本内科学会,2005年4月):内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積に加え,下記の2つ以上の項目に該当する場合.

メタボリックシンドロームの診断基準(図)

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