平成18年10月11日
声 明
北朝鮮の「地下核実験」実施の発表に断固抗議する
日本医師会長 唐澤 人
北朝鮮は10月9日,地下核実験の実施を発表した.唯一の原爆被爆国である日本国民の命と健康を守る専門家集団として,日本医師会は断固抗議する.
日本医師会は,すべての人々の保健レベルの向上に努めながら人類に奉仕することを第一の使命としている医師の学術団体である.私達は広島,長崎の原爆被爆経験から核兵器,核実験による放射能の人体へ及ぼす計り知れない深刻な影響を,どの国の医師よりも強く認識するものである.
過去にインド,パキスタンが地下核実験を強行した際にも,両国駐日大使および両国医師会に抗議したとおり,日本医師会は如何なる政治的理由があろうと,人類の存亡に直接関わるすべての核実験の廃止およびすべての核兵器の廃絶を強く求めるものである.
なお,切実な問題として地下核実験による放射能漏れによる水質,大気汚染,さらには海産物,農産物への影響が懸念されるが,わが国は勿論,北朝鮮近隣諸国に対し,これら安全に関する情報提供が速やかに行われることを望むものである.
北朝鮮が,10月9日,地下核実験の実施を発表したことを受けて,日医は,10月11日,唐澤人会長名で上記の声明を発表した.声明では,唯一の原爆被爆国である日本国民の命と健康を守る専門家集団として,核実験に断固抗議する姿勢を示した.
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