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第1095号(平成19年4月20日) |
3月28日
勤務医の過酷な労働環境の改善等に向けて“宣言”を発表
鈴木満常任理事は,「勤務医の過酷な労働環境が医療の質,安全の面から看過できない状況にあることを確認した」として,平成十八年度全国医師会勤務医部会連絡協議会が取りまとめた“宣言”を次のとおり発表した.
一,政府は財政主導の医療費抑制政策を直ちに改めること.
一,勤務医の劣悪な勤務状態を改善するため,医師の養成人数を増やすこと.
一,女性医師のきめ細かい勤務支援体制を整えること.
一,開業医と勤務医が相互にサポートし合い,地域医療を支援する体制を考えること.
一,勤務医のアンガージュマン(医師会活動や医政活動に参加すること)を広く促していくこと.
同常任理事は,勤務医の過重労働解消のためには,医療関連職種で業務を分担するなど,医師の裁量権を逸脱しないことを前提とした合理的な方法を模索する必要があると指摘.
地域の一次救急医療は医師会で分担し,二次・三次の救急医療は勤務医が担うといった取り組みを推進していることなどを紹介した.
また,医療の不確実性に対して,刑事罰および民事訴訟だけで解決する現行のやり方について問題提起がなされていることに関しては,「分娩に関連する脳性麻痺に対する障害補償制度」を端緒にして,さらなる取り組みを続けていきたいとした.
最後に,「“外来診療は診療所の役割であり,病院は入院機能を全うする”という原点に戻り,“勤務医が当直明けに外来診療を行い,午後から入院患者を診察する”というような,勤務医の過重労働の悪循環を,診療報酬の支払い体系も含めて,変えていくことが必要である」と述べた.
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