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第1119号(平成20年4月20日) |
唐澤会長が就任会見
医療費抑制政策の方向転換を目指す
唐澤人会長は,四月一日に開催された第百十八回日本医師会定例代議員会で再選されたことを受けて,竹嶋康弘・宝住与一・岩砂和雄各副会長,羽生田俊・中川俊男両常任理事とともに記者会見に臨み,今後の日医の方針などについて説明を行った.
唐澤会長は,二年間を振り返って,「社会保障費の国庫負担を年二千二百億円削減という方針を国が打ち出したり,格差拡大につながる恐れのある医療制度改革が始まるなど,大変厳しい船出であった」としたうえで,その後は,国民が安心できる最善の医療を取り戻すべく,『グランドデザイン二〇〇七』を公表するとともに,そこに示した理念に基づいて,国の医療費抑制政策の方向転換を目指して,執行部一丸となって取り組んできたと強調した.
平成二十年度の診療報酬改定については,本体のプラス改定を実現することができたものの,その数字は限りなくゼロに近いものであり,この改定率では医療を立て直すことはできないと主張.国民の生命と安心を守るためにも,新たな医療費財源の確保に向けた取り組みを,今後も続けていくとした.
また,唐澤会長は,第二次執行部は誕生したばかりであるが,すでに新たな戦いが始まっていると指摘.当面の課題として,(一)政府が取りまとめる「基本方針二〇〇八」への対応,(二)『グランドデザイン二〇〇七』を進化させること─を挙げた.
(一)については,このまま医療費抑制政策を続けていけば,わが国の社会保障制度は維持できないということへの理解を,政府与党などに対して求めていくとしたほか,(二)については,日医の役割を改めて問い直し,日本の医療の再構築に向けた,あるべき姿を提示して,国民の理解を求めていくとの考えを示した.
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