日医ニュース
日医ニュース目次 第1137号(平成21年1月20日)

平成20年度都道府県医師会特定健診・特定保健指導連絡協議会
平成21年度の契約にむけて

平成20年度都道府県医師会 特定健診・特定保健指導連絡協議会/平成21年度の契約にむけて(写真) 平成二十年度都道府県医師会特定健診・特定保健指導連絡協議会が,「平成二十一年度の契約にむけて」と題して,昨年十二月二十三日,日医会館大講堂で開催された.当日は,都道府県医師会等の担当役員,全国医師国民健康保険組合連合会の関係者ら四百五十二名が出席した.また,五医師会でテレビ会議が行われ,その参加者を含めると四百八十五名が出席した.
 今村聡常任理事の司会で開会.冒頭,唐澤人会長は,「本年四月より開始された特定健診・特定保健指導は,拙速な施行により,さまざまな混乱が発生している.十一月に厚生労働省の『決済及びデータ送受信に関するワーキンググループ』が再開されたので,その内容について報告し,さらに契約と電子化の対応等についても説明する.本日の協議会が,平成二十一年度の契約締結に向けて有意義な会となることを期待する」とあいさつした.
 内田健夫常任理事は,「特定健診・特定保健指導の課題と対応について」と題して講演し,この会の目的は,平成二十一年度の契約に向けて,課題を整理し,今後の対応を説明することであるとした.制度開始後の課題として,国民への周知不足,特定健診の受診率と特定保健指導の実施率の低迷,健診項目と契約交渉の問題,データの電子化に関する問題などを挙げ,これらの課題を解決するために,「特定健診・特定保健指導に関わる検討会」の設置を舛添要一厚生労働大臣に要望し,今回ワーキンググループが再開されたと説明した.
 ワーキンググループでは,制度全般,委託契約,集合契約,電子化などについて討議し,医師会契約の集合契約Bについては,受診券・利用券の取りまとめ機関欄に「医師会」と記載することを提案.標準単価の設定は法改正なしには行うべきでなく,中医協と同様協議会の設置が必要であると主張したと説明.
 「標準的な契約書の例」については,第十一条(事故及び損害の責任)は,故意または重大な過失がない場合は,保険者,医師会,実施機関の三者協議が原則であるが,条文を分かりやすく改めるように交渉中であると述べた.
 さらに,(1)契約書のひな型には,市町村国保と地域医師会との契約などは,必ずしもとらわれる必要はない(2)健診結果通知は契約に基づき実施機関が面談で行うが,速やかに面談できない時は郵送で行う(3)結果通知や電子データ作成の費用は積算して委託料に含める(4)特定保健指導の自己負担額は途中脱落時に返還する必要はなくなり,平成二十一年度から利用券に「指導開始時に全額徴収」と明記する─などと解説した.
 周知すべき事項としては,質問票に関する事項や任意継続被保険者,特例退職被保険者も対象者となること,複数の集合契約に参加している時は,最も低い委託料によることなどを挙げた.
 吉田澄人日医総研主任研究員は,都道府県医師会および郡市区医師会を対象に調査し,健診単価や事務関連費用等を比較した結果を報告.
 すなわち,(1)都道府県医師会と代表保険者は七八%,郡市区医師会と市町村国保は六八%が契約を締結していた(2)基本健診部分の健診費用は七千円台が最多であった(3)電子化手数料は五〇%以上,結果通知関連費は五〇%以上,情報提供関連費は七〇%以上が「記入なし」で,これらの事務関連費を計上しているかどうか不明であった─などと説明.また,実施機関に対する第三者評価制度の創設を提案中であると述べた.
 上野智明日医総研主任研究員は,電子化への対応について,厚労省の「電子的な標準様式の仕様に関する作業部会」では,今年度の訂正はシステムの改修が発生しない範囲で行う予定と紹介した.フリーソフトの利用率は約二四%だという.
 質疑応答に移り,都道府県医師会等から事前に提出された質問・要望に,内田・今村(聡)両常任理事,および厚労省,国保中央会,支払基金,日医総研の研究員も加わり回答を行った.
 最後に内田常任理事の閉会の辞で会は終了した.
 なお,本協議会の資料・講演内容等の詳細は,日医ホームページ(http://www.med.or.jp/chiiki/kenshin/201223/)を参照されたい.

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