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第1141号(平成21年3月20日) |
2月25日
「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査」実施について
今村聡常任理事は,会内に設置された「勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会」がアンケート調査を企画し,実施していることを報告した.
同常任理事は,今回の調査を開始する経緯について,「近年,長時間労働者に対するメンタルヘルス対策が産業保健のなかで重要な課題になっているが,これは,一般労働者だけではなく,勤務医にとっても大きな問題である」と述べ,「医師の場合は,身体的,心理的問題が起きても,同僚の医師に相談する習慣がなく,受診をためらう傾向がある」とした.そして,「勤務医の過重労働を放置することによって,勤務医の病院からの離脱が起こり,最終的には地域医療提供体制に大きな影響を与えるという認識の下に委員会を設置した.今回の調査は,今後の対策を検討するために基礎的な資料が必要であるということで,実施することになった」と説明した.
調査対象は,日医に所属している勤務医(約七万五千名)から一万名(男性八千名,女性二千名)を無作為に抽出.調査期間は二月二十日から三月十九日までで,回収率は四〇%以上を目指している.
調査項目は,一カ月の休日,睡眠時間,健康状態,たばこ・お酒・食事の量,身体の状況等に加え,勤務医健康支援アクションとして,実際に勤務している職場で健康的に安心して快適に働くために,どのような対策が必要と考えるかを聞いている.
同常任理事は,「このアンケートに関しては,大学の医局でも実施したいという要望もある.今回は日医会員を対象としているが,将来的には学会にお願いして非会員の先生方にもアンケートが実施できたらよい」との考えを示した.さらに「このような身体面・心理面からの調査は初めての試みであり,最終的には,この調査結果を勤務医の健康を支援するためのガイドライン作成の基礎資料としたい」と述べた.
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