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第1190号(平成23年4月5日) |
会員の皆様へ
日本医師会長 原中 勝征
去る三月十一日に東北地方を中心に発生した国内史上最大の「東北地方太平洋沖地震」は,各地に甚大な被害をもたらしました.非常に多くの尊い命が失われ,行方不明の方々もおびただしい数に上っており,断腸の思いであります.亡くなられた皆様方のご冥福を衷心よりお祈りいたします.また,けがを負われた多くの方々,被災された大勢の方々は,きわめて不自由な避難生活を強いられており,心からお見舞いを申し上げますとともに,一刻も早い復興を願ってやみません.
現地の医療機関の多くは,甚大な被害を受けながらも,被災者の医療に懸命に取り組んでおられますが,診療不能な医療機関も相当数に上っていると窺い知れます.
被災各県医師会は,被災直後に災害対策本部を設置し,直ちに医療救援活動を始めただけでなく,比較的被害の小さかった周辺医師会の医療機関からの支援体制をつくり,壊滅状態となった地域の医療提供体制の再建に着手し,全力を挙げて被災地住民の医療確保に努めておられます.
日本医師会におきましては,三月十一日,日本医師会災害対策本部を設置し,被災各県医師会災害対策本部と連携をとるとともに,全国の医師会のご協力を仰ぎながら,現地へのJMAT(日本医師会災害医療チーム)の派遣やご遺体の確認作業に協力するための医師団の編成など,支援体制の整備を図っております.
何より大切なことは,現地のライフラインの確保であり,また,医薬品等の物資の供給であります.これに関しましても,関係省庁の大臣をはじめ政府との連絡を密にして,実効ある行動をとっております.
この救援活動は,当然長期化することが予想され,かつ被災地住民の健康状態の悪化も伝えられている現状から,現地の先生方のご苦労は想像を絶するものがあると思います.
全国の日本医師会会員は,総力を結集して,この国難に立ち向かい,現地の先生方および住民の皆様を支援すべきであると考えます.
何とぞ,格段のご理解とご協力をお願い申し上げます.
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