日医ニュース
日医ニュース目次 東日本大震災特集号 第1191号(平成23年4月20日)

日医定例記者会見

3月30日
震災後の対応と今後の課題

日医定例記者会見/3月30日/震災後の対応と今後の課題(写真) 石川広己常任理事は,東北地方太平洋沖地震に対する日医のこれまでの対応と今後の課題について説明した.
 同常任理事は,まず,「日本医師会災害医療チーム(JMAT)の派遣」「医薬品の被災地への搬送」など,地震発生直後からの日医の対応について改めて説明するとともに,今後の課題としては,(一)JMATの派遣体制の見直し,(二)計画停電への対応―があると指摘.
 (一)に関しては,三月三十日十時現在のJMATの活動状況について報告したうえで,「多少過密になっているところも出てきており,現在一つの分岐点に来ているのではないか」と現状を分析.そのうえで,同常任理事は,「避難所での生活が長くなれば,JMATの役割はますます重要になる」として,活動継続の意義を強調し,今後は,被災地からの要望も踏まえて,派遣体制の見直しを行っていく意向を示した.
 また,日医が「避難所などにおけるトリアージカード」を作成したことを説明し,その活用を求めた.
 (二)については,すでに多くの医療機関に影響が出ており,この問題が夏にかけての最大の課題になるとしたうえで,「患者の健康を守る意味でも,早急にその対応を検討し,この難局を乗り越えていきたい」と述べた.


東北地方太平洋沖地震発生後の日本医師会のこれまでの対応

3月22日

  • 災害対策本部会議を開催.
  • 災害対策本部拡大会議を開催し,被災した東北6県ならびに茨城県の医師会長と災害対策担当者と日医役員がテレビ会議で情報交換を行う.
  • 日本精神科病院協会から日医災害医療チーム(JMAT)への参加の申し出を受ける.
  • 民主党「東北関東大震災被災者健康対策チーム会議」に三上裕司・石井正三両常任理事が出席し,医薬品の搬送,JMAT の活動等について説明.
  • 第36回常任理事会で,東北地方太平洋沖地震による災害への対応のため,横倉義武副会長,石井・石川広己両常任理事の第188回世界医師会シドニー中間理事会への出席取り止めを決定.
  • 3月28日〜4月10日に開催予定の日医の行事の中止を決定.

3月23日

  • 災害対策本部会議を開催.
  • 民主党に,(1)公益法人制度改革(2)税制(3)共済事業(4)医療保険関連で要望書を提出.
  • 医療機関の損壊状況に係る調査の実施を決定.
  • 被災地以外での長期処方の自粛を求めるポスターを作成し,医療機関に配布することを決定.
  • 定例記者会見で,これまでの日医の対応を説明.
  • 読売新聞全国版に被災者へのお見舞いの突き出し広告を掲載.

3月24日

  • 災害対策本部会議を開催し,被災県医師会からの要望やJMATの応募状況等を踏まえ,「岩手県へのJMAT派遣の一時休止」「茨城県へのJMATの派遣休止」を決定.
  • 民主党「東北関東大震災被災者健康対策チーム会議」に三上・今村聡両常任理事が出席.三上常任理事が,JMATの派遣状況と今後の課題,各被災県医師会からの情報について説明したほか,今村(聡)常任理事が,JMAT派遣時の緊急車両に係る許可証の発行を要請.
  • うがい,手洗いを推奨するポスターを福島県の避難所宛に送付.

3月25日

  • 災害対策本部会議を開催し,今後の救援物資の提供・輸送の流れを決定したほか,石井常任理事が気仙沼市の現況を報告.
  • 三上常任理事が,櫻井充財務副大臣を議員会館に訪ね,建築ならびに運転資金に係る融資について,特段の配慮を要請.
  • 高杉敬久常任理事が警察庁に出向き,岩手・宮城・福島各県の死体見分等の実施状況について説明を受けるとともに,検視医の今後の活動等について協議.
  • 3月20日(日)に放送された「新報道2001」(フジテレビ系列全国ネット)での渡辺周民主党災害対策副本部長の発言に抗議するため,原中勝征会長名の抗議文を本人ならびに菅直人民主党党首,岡田克也民主党幹事長(災害対策本部長)宛に提出.

3月26日

  • 被災者の医療機関での受診・窓口負担について,厚労省作成のチラシを日医ホームページに掲載し,周知徹底を求める.

3月27日

  • 宮城県医師会からの要望を受けて,宮城県へのJMAT派遣を一時休止に.

3月28日

  • 災害対策本部会議を開催し,被災県の事務局への意見聴取の結果や被災患者の受入調査(医師会病院)の結果等を基に協議したほか,日本小児科学会のJMATへの参加を了承.
  • 民主党「東北関東大震災被災者健康対策チーム会議」に三上・今村(聡)両常任理事が出席.
  • 日本看護協会宛に原中会長名で協力依頼を発出.

3月29日

  • 災害対策本部拡大会議を開催し,被災地の現状を踏まえた対応を協議.
  • 日医作成の「避難所などにおけるトリアージカード」を都道府県医師会宛に送付.

3月30日

  • 石井常任理事がJMATの活動状況と被災県の医療状況の把握のため,岩手,宮城,福島,茨城の各県を視察(〜31日).
  • 「全国から多くの医師が被災地に向かっています.」をキャッチコピーとした意見広告を全国紙および地方紙に掲載(〜31日).
  • 災害対策本部会議を開催し,拡大会議については被災県の対応状況を確認のうえ,開催することを決定.
  • 定例記者会見で,今村(聡)常任理事が計画停電の影響調査を実施することを報告するとともに,石川常任理事が震災後の日医の対応と今後の課題を説明.
  • 4月11日以降の日医の行事については,当初の予定どおり行うことを決定.

3月31日

  • 災害対策本部会議を開催し,JMATの派遣体制,計画停電への対応,日医の情報収集のあり方等について協議.
  • 民主党「東北関東大震災被災者健康対策チーム会議」に三上・今村(聡)両常任理事が出席.

※3月22日以前の対応は本紙第1190号(4月5日号)に掲載.

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