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第1192号(平成23年5月5日) |
4月6日
「勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会報告書」まとまる
今村(聡)常任理事は,日医会内に設置している「勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会(委員長:保坂隆東海大医学部教授)」が,原中勝征会長からの諮問「勤務医の健康支援のための具体的方策」を受け,鋭意検討を重ねた結果,取りまとめた報告書について概説した.
同報告書は,一,医師の職場環境改善ワークショップ研修会の開催と今後の展開,二,日本医師会長から学会への働きかけに関する提言,三,医師の労働時間の設計基準に関する現場実証調査研究報告,四,委員会活動の成果発表,五,二〇一一年度の活動予定,六,おわりに―からなっている.
「一,医師の職場環境改善ワークショップ研修会の開催と今後の展開」では,二〇一〇年三月六日に日医会館で開催した第一回「医師の職場環境改善ワークショップ研修会」の全国展開を図り,二〇一〇年度は,四カ所(熊本県・岡山県・京都府各医師会,横浜市立大学病院麻酔科)でワークショップ研修会を開催.また,今後,全国で研修会を開催するため,ファシリテーター並びに講師の養成に着手したことが述べられている.
さらに,「二,日本医師会長から学会への働きかけに関する提言」では,本委員会からの提言に応える形で,二〇一〇年八月三十日に原中会長より,久史麿日本医学会長に対して,学会において勤務医の健康問題を取り上げるシンポジウムの開催や啓発を行うよう依頼したことが報告されている.
「三,医師の労働時間の設計基準に関する現場実証調査研究報告」では,現行の医療提供体制下における医師の労働実態を踏まえたデータを基に,医師の労働時間の設計基準(勤務医の労働時間ガイドライン)について検討.
これは,二年間で,「設計基準案作成準備(ステップ一,二)→現場試行(ステップ三)→評価→設計基準案の作成(ステップ四)」という四つのステップによる現場実証研究の形で実施する計画であり,二〇一〇年度は,設計基準案の準備に関する調査研究を行い,その概要と結果を報告している.
最後に,同常任理事は,今後の計画としては,ステップ二で作成した自主ガイドラインの適用と運用実績の評価,ヒアリング調査や試行等を行い,最終的に同委員会として,医師の労働時間の設計基準(勤務医の労働時間ガイドライン)を二〇一一年度中に作成する予定であることを明らかにした.
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