|
第1240号(平成25年5月5日) |
4月10日
勤務医の健康支援に関する検討委員会報告書について
道永麻里常任理事は,勤務医の健康支援に関する検討委員会が,横倉義武会長からの諮問「勤務医の健康支援のための労働時間・勤務体制を含む働き方の見直し手引き作成」について答申を取りまとめ,三月二十六日に保坂隆委員長(聖路加国際病院精神腫瘍科医長・聖路加看護大学臨床教授)から横倉会長に提出されたことを報告した.
本委員会では,昨年六月に,公益財団法人労働科学研究所が日医からの委託研究として取りまとめた「勤務医の健康支援のための労働時間・勤務体制を含む働き方の見直し手引き(案)」について,実際の勤務医の職場で活用出来るか検討を行った上で,修正版として「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール〜勤務医の健康支援をめざして〜」を作成した.
本分析・改善ツールは,ステップ1「勤務医の労務管理チェックリストによる現状把握・分析」と,ステップ2「労働環境改善の手順」の二つの柱で構成されている.
ステップ1では,施設の労務管理の状況が把握出来るよう,(一)労働時間管理に関する勤務医への周知,(二)労働時間の適正把握,(三)労働時間・休憩・休日の取扱い,(四)時間外・休日労働協定(三十六協定),(五)割増賃金,(六)勤務医の安全と健康の確保(安全衛生管理体制),(七)女性勤務医の就労支援─の七分野について,各五項目のチェックリストを設け,それぞれの法的解釈を解説している.
ステップ2は,ステップ1の結果に基づいて,労働環境改善のためのチームづくりや,取り組み開始のタイミングなど,自分の病院をより良くしていくためのヒントを整理している.
同常任理事は,昨年度,富山県医師会と茨城県医師会で日医共催による医師の職場環境ワークショップ研修会を開催したことを報告するとともに,「昨年度からは,研修会プログラムに基本的な労働基準法など労務管理の視点を入れたが,今後,本ツールをワークショップ等で活用し,現場の意見を踏まえ,検証作業を行うことが必要である」との認識を示した.
|