日医ニュース
日医ニュース目次 第1250号(平成25年10月5日)

アジア大洋州医師会連合(CMAAO)インド総会開催される
石井常任理事がCMAAO事務総長(2013〜15年)に再任

総会に出席する横倉会長
 アジア大洋州医師会連合(CMAAO)インド総会が九月十二から十四日まで,インドのデリーで開催され,日医から横倉義武会長,石井正三・小森貴両常任理事,村田真一弁護士(CMAAO法律顧問),山岡祐衣医師(日本医師会Junior Doctors Network/JDN)が参加した.
 参加医師会は十八医師会中十三医師会(日本,オーストラリア,香港,インド,インドネシア,韓国,マレーシア,ミャンマー,ネパール,フィリピン,シンガポール,タイ,台湾)で,欠席はバングラデシュ,カンボジア,ニュージーランド,スリランカ,マカオであった.総会出席者は約百五十名であり,世界医師会(WMA)から,ムケシュ・ハイカーワル理事会議長が招待された.
 十二日の開会式では,シエラ・ディキシット デリー市長が主賓として参列し,新会長にインド医師会のヴィネイ・アガルワル前会長が就任した.理事会では,CMAAO事務総長である石井常任理事が二〇一二年十二月から直近九月までの活動内容を報告.議長・副議長選挙では,議長にドン・チュン・シン韓国医師会国際担当役員が,副議長にヤィ・ウェイ・チャン シンガポール医師会第一副会長がそれぞれ再選され,事務総長指名では,石井常任理事が再任された(任期:二〇一三〜一五年).
講演する小森常任理事
 十三日には,武見太郎記念講演が開催され,ラジーヴ・セス インド児童虐待・放置及び児童労働グループ議長が「インドにおける児童の虐待と放置からの保護」と題した講演を行った.シンポジウムは,「児童虐待」をテーマに開催され,各国医師会がそれぞれの国の状況を報告.日医からは小森常任理事が,日本の児童虐待に関する法律,定義,現状を説明した上で,日医として,『児童虐待の早期発見と防止マニュアル』の策定,子育て支援フォーラムの継続的開催,対応の普及・啓発に努めるなど,対策を講じていることを説明した.
 カントリーレポートでは,石井常任理事が,今年設立三十周年を迎えるハーバード大学公衆衛生大学院武見国際保健プログラムについて,設立の経緯,フェローの地理的分布を説明し,CMAAO加盟各国医師会と共に,積極的支援及びフェローの有効活用を図り,国際保健に寄与していく構想を披露した.
 十四日の総会全体会議では,「児童虐待防止に関するCMAAOデリー決議」が採択された他,二〇一三〜一五年の役員指名では,次期会長にホセ・アサ・サビリ フィリピン医師会元会長が,第一副会長にキン・マ・アイェ ミャンマー医師会第二副会長が,財務担当役員に香港医師会のチャン・イー・シン副会長がそれぞれ指名された.
 総会の開催地は,二〇一四年がフィリピン,マニラ,二〇一五年がミャンマー,ヤンゴンとなった.また,二〇一四年の総会のテーマは,フィリピン医師会提案の「NCD(非感染性疾患)」に,横倉会長提案による「生活習慣病」を加え,「NCD(非感染性疾患)と生活習慣病」となった.
 総会終了後,インド主要メディアを対象に記者会見が行われた.そこでは,「児童虐待防止に関するCMAAOデリー決議」が紹介され,石井常任理事から,「この決議をCMAAO加盟国地域に限らず,WMA等を通じて広く国際的に浸透させ,児童虐待の撲滅に期するよう働き掛けていきたい」との意向が示された.

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