日医ニュース
日医ニュース目次 第1259号(平成26年2月20日)

今村副会長/規制改革会議第16回健康・医療ワーキング・グループに出席
一般用検査薬の拡大は,医師による指導につながるような形で進めるべき

今村副会長/規制改革会議第16回健康・医療ワーキング・グループに出席/一般用検査薬の拡大は,医師による指導につながるような形で進めるべき(写真) 今村聡副会長は一月三十日,規制改革会議健康・医療ワーキング・グループ(以下WG)のヒアリングに出席し,一般用検査薬を用いた自己検査普及に係る日医の考え方を説明した.
 同副会長は,初めに,「国民が使用可能な一般用検査薬が二十年以上にわたって三種類しかなく,新規に一般用検査薬にするかどうかを決定するルールがないことには問題がある」として,一定のルールを早急につくることを求めた.
 その上で,「改革は国民の健康に寄与することを目的とすべき」との基本的な考え方を説明.国民が自らの健康管理の意識を高めるのは当然であるが,セルフケアに一般用検査薬を活用することが,「特定健康診査」「がん検診」「事業主健診」といった,国が進めている国民の健康増進の取り組みの妨げになってはならないと指摘.また,一般用検査薬は,健診結果に基づき,正しい指導を受けた後の本人の努力結果を確認するツールとしては意味があるが,健診の代替には決して成り得ないと強調した.
 更に,一般用検査薬の種類が多い米国・英国では,それらの導入後に,国民の個人負担は増えるが,医療費が削減出来たというエビデンスは全くないことを紹介.
 そのため,一般用検査薬の効果を分析し,エビデンスが集積出来る仕組みづくりが重要になるとした他,例えば,排卵日検査薬のように,定期健康診査や検診では測定しないが,日常生活で必要と考えられるものをまず検討してはどうかと提案した.
 その後は,WGのメンバーとの間で意見交換が行われた.その中で,同副会長は,一般用検査薬の拡大は,医師による指導につながるような形で進めるべきであり,検査結果を勝手に自己判断せずに,医療機関を受診するという,後のフォローアップをきちんと行う仕組みづくりが重要として,医療用検査薬のスイッチOTC化には慎重な姿勢を示した.
 また,大田弘子規制改革会議議長代理からは,「医師による検診を進めるためにも一般用検査薬が必要であり,検査薬によってアラームを発することを広げていってもいいのではないか.また,これからは予防に力を入れた地域医療にしていって欲しい.厚生労働省は,一刻も早く新規に一般用検査薬にするかどうかのルールづくりに向けてスケジュールを作成し,出口を定めて議論して欲しい」との発言があった.

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