指導:東京医科大学泌尿器科教授
   三木 誠

膀胱がんは高齢化とともに
 膀胱がんは年齢が高くなるにつれて多く発症する病気です。男性・女性の比率は3対1ですから、膀胱がんは高齢の男性に多い病気といえます。
 膀胱がんは大きく分けて、比較的治りやすいが再発しやすい表在性がん(内視鏡手術で治療可能)と、粘膜に深く食い込み転移しやすい浸潤性がん(開腹手術が必要)とがあります。

血尿だけでほかの症状がない
 膀胱がんの初期には、ほかに何の症状もなくて血尿だけがある「無症候性肉眼的血尿」がもっとも大きな兆候です。血尿は1回だけ、あるいは2、3日続いて止まり、数ヵ月後にまたあるという特徴があります。そのほかに尿がにごったりする場合もあります。
 膀胱がんが進行すると、何回も排尿する、排尿のとき痛むなどの症状のほか、がん一般に見られる全身衰弱、貧血、やせるなどの症状が現れます。

たとえ一度だけの血尿であっても
 職業性膀胱がんなど原因の明らかなものもありますが、大部分は原因不明です。喫煙が原因のひとつであるとの説もあり、生活習慣を改善する努力が必要です。
 血尿の原因はいろいろありますが、膀胱がんの早期発見のためには、血尿が唯一の手掛かりといっても過言ではありません。1回でも血尿があったら、そしてほかに症状が何もないと思われる場合にこそ、専門医(泌尿器科)の診察を受けてください。膀胱がんもその程度により治療法が違い、早く発見できれば治療の選択肢の幅も広がります。

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