白クマ
日医白クマ通信 No.1000
2008年9月5日(金)


定例記者会見
「がん医療における緩和ケアに関する医師の意識調査」報告書まとまる
―内田常任理事

内田健夫常任理事


 内田健夫常任理事は、9月3日の定例記者会見で、平成19年度の厚生労働省委託事業の一環として、会内の「がん対策推進委員会(プロジェクト)」において企画し、本年1〜2月に実施した「がん医療における緩和ケアに関する医師の意識調査」の調査結果を公表した。本調査は、わが国で初めての全国の医師に対するがん緩和医療の認識度に関する大規模調査であり、およそ10万人の医師から回答を得た。

 対象は、日医のすべての診療所医師94,224名、および精神科のみの病院を除く7,807病院の医師173,299名の合計267,523名で、有効回答数(回答率)は、診療所医師が52,949名(56.2%)、病院医師が45,012名(26.0%)、合計97,961名(36.6%)であった。

 調査の結果からは、緩和ケアに関心を持つ医師は多いが、緩和医療の普及が十分とはいえない現状と、緩和ケア普及のための課題(適切な緩和ケアの知識と技術の普及、専門家の養成と専門家の利用のしやすさ、医師の仕事量の総量の緩和、コミュニケーションに対する評価、麻薬管理の簡便化、相談窓口の設置、緩和ケア病棟以外に入院や日中・夜間滞在可能な施設の量的拡充など)が明らかとなった。

 内田常任理事は、「今年度厚労省が予算化した緩和ケアの研修会については、日本緩和医療学会等と協力しつつ、会内のがん対策推進委員会でも取り組みを進めたい」と述べた。さらに、「今後、在宅医療やトータルな患者ケアということを考えると、緩和ケアの普及には非常に大きな意味がある」とし、今回の調査結果を反映して、緩和ケアの普及が一層図られるような体制の構築を考えていきたいとの抱負を示した。

 なお、同報告書は、『日医雑誌』9月号に同封して全会員に配布し、さらに、調査対象となった7,807病院にも送付する予定。

⇒ がん医療における緩和ケアに関する医師の意識調査 ―報告書―

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)


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