白クマ
日医白クマ通信 No.1005
2008年9月17日(水)


大学病院の医療に関する懇談会
「医学部定員増などをテーマに意見交換」

大学病院の医療に関する懇談会


 大学病院の医療に関する懇談会が、9月11日、日医会館で開催された。

 冒頭、唐澤人会長があいさつに立ち、医師養成数の増加の方向が打ち出されていることについて、「医師不足・偏在の改善につながるような実効ある仕組みと併せて実施しなければいけない。増員に当たっては、十分な教育予算の確保、医療費財源の確保が前提であり、これなしに日本の医療を危機的な状況から救い、国民医療を守るという当初の目的を達成することはできない」と強調した。

 全国医学部長病院長会議の小川彰会長は、「今年になって、医師養成数を増加に転換するなど大きな国の政策変更があり、日医と全国医学部長病院長会議が歩調を合わせて、国にさまざまなことを提言するのは極めて重要だ」と述べた。

 当日は、(1)医学部定員増、(2)医師確保に関する調査の実施、(3)臨床研修プログラムに関するモデル事業、(4)地域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する医師の養成を目的とする認定制度(案)―について、報告と意見交換が行われた。

 医学部定員増については、「経済財政改革の基本方針2008」を踏まえ、平成21年度に、過去最大数を上回る8,560人程度の増員が検討されていることが報告されたが、大学の運営費交付金、補助金を含めた財源の確保や、将来の病院の運営面まで含めた幅広い観点からの議論が必要であるとの意見が相次いだ。

 また、厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会中間とりまとめ(案)に、医師養成数を現状の1.5倍に増加させることを目指すと記されたことについても、数字ありきでなく、増員の検証や現場の状況も踏まえた長期的視野に立った検討が必要との認識が共有された。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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