白クマ
日医白クマ通信 No.1044
2008年11月13日(木)


定例記者会見
「二階経済産業大臣の発言に対するコメントを表明」
―中川常任理事

 中川常任理事は、都内で発生した妊婦受け入れ拒否の問題について、11月10日に舛添厚生労働大臣と二階経済産業大臣の間で行われた会談において、二階大臣が「医師のモラル問題だ」という発言に触れ、「不用意な発言であり、考えを改めて欲しい」と訴えた。

 会談では、病院同士の主張が食い違う今回の問題に関して、舛添大臣は、「医師同士のコミュニケーションが上手くいっていない。IT技術を活用した形で、両省で協力しながら国民のためになる仕事がしたい」と発言した。この発言に対して、同常任理事は「IT技術で何か良いシステムが出来ればこういうことが少なくなると思う」と賛意を示した。

 一方で、二階大臣の「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思う。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳に過ぎない」という発言には、「この報道における二階大臣の発言は、過酷な医療現場で疲弊している、特に勤務医の先生方に石を投げるようなものであり、あまりにも現場を見ていないと言わざるを得ない。このことは、小泉政権から特に強くなった長期にわたる医療費抑制策の結果生じたシステム上の問題であり、それを医師のモラルの問題という形に責任を転嫁するのは大問題である」と述べ、「考えを改めていただきたい」と求めた。

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