白クマ
日医白クマ通信 No.1068
2008年12月17日(水)


大学病院の医療に関する懇談会
「医師確保や臨床研修の在り方をテーマに意見交換」

大学病院の医療に関する懇談会


 大学病院の医療に関する懇談会が、12月11日、日医会館で開催された。

 冒頭、あいさつに立った唐澤人会長は、さまざまな問題が指摘されている新医師臨床研修制度の在り方について「日本医師会でも具体的な方向性をまとめたが、大学の先生方の意見もいただき、正しい方向に進めていきたい」と述べた。また、医師の偏在と不足についての対策が強化されるよう努めるとした。

 全国医学部長病院長会議の小川彰会長は「医学部の定員増が決定したが、社会保障費2,200億円の削減と同時に、国立大学の教員の定員削減、高等教育費の削減は極めて大きな問題。医師を養成するにはお金がかかるが、医師会の力を借りて、国に提言していきたい」と述べた。

 当日は、(1)医師確保のための実態調査、(2)医師臨床研修制度、(3)卒後臨床研修改善のための卒前臨床実習の見直し、(4)DPC、(5)救急医療の今後のあり方に関する検討会「中間とりまとめ」―などについて、報告と意見交換が行われた。

 日医側からは、内田健夫常任理事が、(1)の都道府県医師会と病院を対象に行った「医師確保のための実態調査」について、調査項目ごとの集計結果を説明し(日医白クマ通信 No.1064参照)、ほとんどの都道府県で病院医師が不足し、新医師臨床研修制度の実施により指導医の負担が増加しているなどの現状を報告した。また、飯沼雅朗常任理事は(2)について、研修を修了した医師がすぐに活躍できる臨床技能を身につけられる研修体制の在り方について、日医の考え方を示した。

 全国医学部長病院長会議側からは、(3)について、医学生の実習行為実施の法的整備による診療参加型臨床実習の充実などが提案された。(5)については、現在、救命救急センターはA、B、Cの3段階に評価され、運営費補助金や診療報酬の加算に反映されているが、すべての施設が最高段階の評価を得ていることから、厚生労働省が評価の在り方を見直す方針としていることが説明され、医療費削減のための見直しに過ぎないとした。

 このほか、(4)のDPCの方向性について、意見交換を行った。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)


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