白クマ
日医白クマ通信 No.107
2005年5月2日(月)


第4回医療政策会議
医療の質と安全について議論

第4回医療政策会議


 日医三大会議の一つである医療政策会議の第4回会合が、4月27日に日医会館で開催された。

 今期の植松治雄会長からの諮問は「医療の質とその財源」で、今回の会議においては、児玉安司弁護士・東京大学医学部特任教授を講師に迎え、「『医療の質』と医療事故」と題する講演をお願いした。

 病院側の代理人として数多くの医事紛争に携わる児玉弁護士は、(1)医療事故と損害賠償、(2)医療事故と刑事処罰、(3)医療事故と安全対策コストについて、一般訴訟とは質が異なる医療訴訟の難しさ、自動車事故や火災に比して賠償のためのファンドが未形成であること、コストをかければ医療の安全性は高まるが残留リスクは排除できないことなどを説明し、医療従事者は訴訟を恐れて過剰反応せずに、患者さんに正面から顔を向けた姿勢で、医療の提供を心掛けることが大切であると結んだ。

 講演後の質疑応答では、「医療事故は交通事故と比べても解決システムが未成熟であり、一般企業の顧客対応を見習うべき」「現場の技術・知識不足は診療報酬等の財源不足からきていることを周知させることが重要」「医療従事者の環境が厳しすぎることが問題であり、労働法に違反する労働時間を是正しなければ根本的な解決はない」など、多数の意見交換があった。

 児玉氏は、日医の組織としてのガバナンス機能を発揮し、課題になっているとこの一つ一つに明確な回答を示すことが大切であると強調した。


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