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大学病院の医療に関する懇談会「医師臨床研修制度等で意見交換」 |
小川彰全国医学部長病院長会議会長のあいさつに続いて、唐澤人会長は、先ごろ公表した『グランドデザイン2009』について触れ、「日医の考える医療政策について一定の方向性を示したものであり、本日はこの件についても忌憚のない意見をお聞かせ願いたい」とあいさつした。 引き続き、中川俊男常任理事から、『グランドデザイン2009』の内容について、「医師増加に向けての日医の考え方」「初期臨床研修制度の改革案」「高齢者のための医療制度」「公的医療保険を支える財源」を中心とした説明が行われた。これについて、全国医学部長病院長会議側からは、「将来の医師数は、患者を中心に疾病構造を踏まえて考えることが大事だ」との意見や、「後期研修を今後いかに見直していくべきかについても触れて欲しい」との要望が出された。 議事では、(1)医学教育カリキュラムのあり方、(2)医師臨床研修制度、(3)医学部定員増の地域枠、(4)総合医(家庭医)―について、それぞれ意見交換が行われた。 (1)では、小川会長が、全国医学部長病院長会議がまとめた『医師養成グランドデザイン』のなかで、1)実効性のある資格制度としての認定制度(共用試験)の確立 2)診療参加型臨床実習の充実 3)技能・態度を問う試験の導入などによる医師国家試験の見直し―などを提言していることを説明。日医の改革案を具現化するためにもこれらをうまく取り入れることが必要であるとし、その実現に向けて、日医の協力を求めた。 (2)では、厚生労働省医道審議会医師臨床研修部会が取りまとめた見直し案を基に議論が行われた。部会の委員でもある飯沼雅朗常任理事は、今回の見直しで臨床研修病院の指定基準が厳しくなることへの懸念を示すとともに、都道府県別に設定される募集定員の上限によって影響を受ける都道府県への対応が今後重要になるとの考えを示した。 (3)では、全国医学部長病院長会議側から、「医学部の定員だけでなく、それに対応するための経費を増やしてもらわなければ、医学教育の質の担保は図れない」と国の対応を批判する意見が出された。竹嶋康弘副会長も問題解決のためには、社会保障費と教育費の増額が不可欠だとして、引き続き、その実現に向けた活動を展開していく意向を示した。 (4)については、小川会長から制度創設に慎重に対応をして欲しいとの要望が出された。飯沼常任理事は、これまでの経緯を説明するとともに、学術推進会議等で現在、検討を続けていることを報告し、理解を求めた。 ◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代) |
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