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定例記者会見 厚生労働省「最近の医療費の動向 平成20年10月号」に対する見解 ―中川常任理事 |
同常任理事は、2008年4〜10月の医療費の前年同期比について、全体では1.7%増であるが、調剤が5.1%増、歯科が2.5%増と伸びている一方、医科は0.9%増に止まっており、特に医科入院外は0.1%減とマイナスであると説明。厚生労働省は、医療費の自然増は3%台であるとの従来の主張を修正すべきと改めて指摘した。 また、種類別医療費の前年同期比は、調剤が0.2兆円増で、医科の増加額0.1兆円を上回り、構成比も15.4%から15.9%に拡大したことから、調剤の伸びに注意が必要と述べた。病院・診療所別の医療費総額は、病院1.3%増、診療所0.1%増で、1施設当たりでは、病院2.2%増、診療所は横ばいであったと説明した。病院の医療機関種類別医療費は、大学病院が医療費総額で3.9%増、1施設当たり医療費で3.3%増と突出している一方で、個人病院では、医療費総額で15.6%減、1施設当たりで見ても2.3%減とマイナスであったとし、病院については、大学病院、大規模病院での伸びが顕著であると指摘した。 さらに、診療所(入院外)医療費は、全体で0.4%増であったが、診療科別では「その他」を除いて、内科が唯一0.3%減とマイナスになったことについて、「現時点でのマイナスは、問題が少なくない」との考えを示した。また、小児科(1.2%増)、産婦人科(1.1%増)はプラスではあったが、整形外科(1.4%増)、皮膚科(1.3%増)、眼科(1.4%増)の伸びを下回ったことから、今後の動向も踏まえ、TKC全国会データも用いて、利益面からも検証をつづけていきたいとした。 最後に、同常任理事は、医科入院外受診延べ日数の2008年10月の前年同月比について、70歳未満がマイナス3.1%と、過去数年間でもっとも減少幅が大きかったことや、70歳以上でもマイナス1.5%と減少に転じたことは注目すべき結果で、生活不安等からの受診抑制が現実のものになりつつあるのではないかとの懸念を示した。また、年金記録の問題や後期高齢者医療制度に対する不安も背景にあるのではないかとして、今後の動向にリアルタイムで留意していきたいと述べた。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代) ◇定例記者会見資料はこちらから
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