白クマ
日医白クマ通信 No.1133
2009年4月24日(金)


定例記者会見
「メディカルスクール構想の問題点」―内田常任理事

内田常任理事


 内田健夫常任理事は、4月22日の記者会見で、「メディカルスクール構想」について、改めて日医の見解を述べた。

 同常任理事は、「メディカルスクール構想」には、非常に大きな問題があるとの認識を示し、以下の3点を指摘した。

(1) 医師不足対策としての実効性
 少子高齢化という社会的背景を考えると、当然医療の需要は大きくなるが、医学部定員増などの医師不足対策の検証が必要である。「メディカルスクール構想」は、少子化の下、中長期的に見て医師不足対策としての実効性に疑問がある。また、質についても問題が出てくることが懸念される。

(2) 医師の質の担保
 良質な医師を確保するためにも、医学部教育や臨床研修制度の担保が必要であり、現行の検証が非常に重要である。「メディカルスクール」は、日本では、医学部以外の4年制大学の予備校化が懸念され、また、年数、学費の負担がさらに増えることから、本当に優秀な人材が集まるのか疑問である。

(3) 二重養成制度
 現行制度との二重養成制度となり、混乱が生じる恐れがある。制度を一本化するならば、導入することの意義を検討すべきである。また、学士入学制度との相違が明確でない。

 同常任理事は、現在までに、相当数の学士入学者が医師になっていることから、その調査、評価も十分に行ったうえで対応すべきと指摘した。また、「メディカルスクール」を導入している諸外国の事例を十分に検証しながら検討すべきとして、導入には反対すると主張した。さらに、四病協とは、今後も懇談会を継続していくなかで議論を重ねていきたいと述べた。

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