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第4回生命倫理懇談会 坂井弁護士が「名誉毀損とプライバシー侵害」について講演 |
坂井氏は、名誉やプライバシーの法的な考え方を紹介するとともに、それらが侵害された事実の主張が立証されることで不法行為が成立し、損害賠償が認められるという訴訟の構造について、実例を挙げて説明。インターネット上における、医師の患者や遺族に対する言論、医師対医師の言論においても、名誉・プライバシー侵害が成立する法的要件は同じであるとした。 医療過誤事件をめぐるネット上の言論については、患者・遺族から過剰な医療批判が展開され、時に不当な刑事責任追及がなされる一方、ネット上の医師専用サイトで過剰な患者・遺族批判や、少数意見の医師に対する冷静さを欠いた批判が行われるなどの問題点を指摘。そのうえで同氏は、プロフェッションとして医療の中心を担う医師が、マスメディアの冷静さを欠いた医療批判と同レベルで言論を発信することは、医療に対する信頼を確保する行為とは言えず、むしろ医療に対する過剰な批判を招くとして、「事実に基づいた冷静かつ客観的な主張・反論こそが医療に対する理解を深める。医療側として、認めるべき非は認め、改善すべき状況は改善しつつ、医療側にしかわからない『医療の現実』を積極的に発信していくことが求められる。そのためには、医療側内部での多様な言論の存在こそが期待されるのではないか」と強調した。 講演終了後、出席者との間で活発な質疑応答が行われたほか、答申作成に向けて、その骨子や作業手順について確認を行った。 ◆問い合わせ先:日本医師会企画課 TEL:03-3946-2121(代) |
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