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定例記者会見 「医療崩壊から脱出するための緊急提言」 ―中川常任理事 |
同常任理事は、身近な医療機関が健全に存続し、国民が経済的負担におびえることなく、いつでも医療機関にかかることができる社会を目指すため、「国民皆保険を守るための緊急提言」として、「一部負担割合の引き下げと保険料改革」「診療報酬の大幅な引き上げ」の2点を取り上げ主張した。 「一部負担割合の引き下げと保険料改革」については、(1)外来一部負担割合の引き下げ、(2)資格証明書による全額自己負担の停止、(3)保険料上限の見直し―の項目に分類し、(1)では、経済的困窮、窓口負担の重さから、受診抑制が懸念され、外来の受診を容易にするため、一部負担割合を若人2割(現行3割)、高齢者一律1割にする、(2)では、資格証明書の交付を停止し、医療機関にかかったときに、全額自己負担しなくても良いようにする、(3)では、保険料を年収や所得にできるだけ比例させる―ことを提案した。 「診療報酬の大幅な引き上げ」について同常任理事は、「今、望まれることは、地域の医療全体の底上げであり、社会保障費削減の撤回とあわせ、大幅な診療報酬の引き上げを強く求める。また、『医療難民』『介護難民』になる不安をなくすため、財源を投入し、必要な体制を取り戻し、かつ拡充しなければならない。そして、国民がいつでも安心して医療機関にかかれるようにすべきである」と主張した。 一方、医薬品などの仕入れの際に医療機関が多額の負担を強いられている控除対象外消費税について、「国は、過去に診療報酬1.53%(1989年改定0.76%、1997年改定0.77%)を上乗せし、それで解決済としてきたが、その後の実態を検証し、改善すべき」として是正を求めた。 同常任理事は、「日本医師会は、前回2008年度の診療報酬改定にあたって、診療報酬5.7%の引き上げを要望した。2008年度改定では、医科本体は0.42%引き上げられたが、長年の医療費抑制や、医師不足問題の顕在化によって、地域医療の崩壊はより深刻化した。次期改定では、前回要望を上回る診療報酬の引き上げを求める」と強調した。 また、同常任理事は、同月18日に開かれた、財政制度等審査会財政制度分科会財政構造改革部会に出席し意見交換を行ったことを報告。詳細は日医ニュース6/5号に掲載。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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