白クマ
日医白クマ通信 No.1148
2009年6月12日(金)


定例記者会見
「特別養護老人ホームにおける介護職員の医行為に関する問題について」
―三上常任理事

三上常任理事


 三上裕司常任理事は、6月10日の記者会見で、「特別養護老人ホームにおける介護職員の『医行為』に関する問題」について、日医の見解を述べた。

 同常任理事は、「第2回特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会」(6月10日開催)の審議内容について、特養において看護・介護職員の連携により、「口腔内吸引」及び「経管栄養に関する実施準備、経過の観察、終了後の片づけ等」を行うことについては、日医としては、これらの行為が「医行為」として定義されているかどうかが問題であると指摘し、「医行為」ではないことが、厚生労働省通知等により、明確に示されれば、特養利用者の安全を担保するために必要な研修を行ったうえで、介護職が実施することに問題はないとの考えを示した。

 そして、そうした定義がきちんと示されないまま、厚労省が提案したモデル事業が実施され、その後、なし崩し的に、その他の「医行為」も、定義が曖昧なまま、介護職により医療・介護現場において実施されることは、利用者・従事者の安全を守る側面から反対すると主張した。

 また、6月6日付読売新聞夕刊で、本検討会において検討した後に、公表されるべき情報が事前に報道されたことに触れ、「情報の事前漏洩は、これまでも再三指摘してきたが、いまだに改善が見られない。このような事態は、情報の操作及び検討内容がミスリードされる恐れがある」として、厚労省担当部局に厳重に抗議したことも明らかにした。
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