白クマ
日医白クマ通信 No.1156
2009年7月17日(金)


定例記者会見
「臓器移植法改正案の成立を受けて日医の見解を示す」
―木下常任理事

木下常任理事


 臓器提供の年齢制限を撤廃し、本人が生前に拒否表明していなければ、家族の承諾で可能になる改正臓器移植法が7月13日、午後の参院本会議で可決成立した。これを受けて木下勝之常任理事は、7月15日の定例記者会見で、日医の見解を示した。

 同常任理事は、「同法の一部を除き施行は公布の1年後からとなるが、改正によって、今後、日本でも念願であった小児への臓器移植の道が開かれることとなった。また、本人が臓器提供の意思を書面により示していない場合であっても、遺族による書面による承諾があれば、臓器移植が可能となった。これらの点は評価したい」と述べ、国会の判断を尊重するスタンスを表明した。

 最後に、同常任理事は「国会で改正臓器移植法が成立したからには、脳死の定義を含め医療現場が混乱しないように、適切に運用されることを願うものである」と結んだ。

 その後、これまでの検証が十分に行われているのかという記者からの質問については、厚労省が設置した脳死下での移植提供事例に係る検証会議の委員としての立場から、検証会議では、一連のステップが丁寧に検証されていることを報告し、そこでは、遺族への心のケアもおろそかにしていないという経験から、「拙速とは思っていない」とした。ただし、小児については、脳死判定の問題や虐待死のケースもあり、国民が納得する形の手続きが必要となると述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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