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定例記者会見 「要介護認定基準見直しに対する日医の見解」 ―三上常任理事 |
三上常任理事は、これまでの経緯として、平成18年10月に、「要介護認定調査検討会」が組織され、1)最新の介護の手間をより正確に反映させる、2)精度が落ちないことを前提とした認定業務の省力化を図る、3)調査結果・審査結果のバラツキを是正する―等の課題を検討・議論を行ってきた。その際、新たな一次判定ロジックにおいては、利用者が軽度に判定される傾向にあったため、見直しを行う場を設けるよう申し入れを行ったことを説明。 その結果、本年4月13日に「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」が開催され、その検討の中で「検証基準を、従来の要介護認定の結果と新たな認定結果の一致率とすることが適当である」との提案をおこなった。また、利用者の安定的なサービスの利用を確保する観点から、4月17日付の老健局長通知で、申請者の希望に応じ、見直し後の要介護認定により、判定された要介護度が従前の要介護度と異なる場合、従前の要介護度に戻す「要介護認定等の方法の見直しに伴う経過措置」が設けられたことを解説した。 同常任理事は、3回にわたる同検証・検討会の見直しの中で、能力勘案、痺・拘縮等の有無、介助の方法のそれぞれの調査項目に係る定義を、今回の見直し以前の2006年度版の認定調査員テキスト、介護認定審査会テキストに近づけた形で修正したことを報告し、その修正した要介護認定方法を用いたシミュレーションでは、2008年4月・5月の判定割合とほぼ同水準となったため、本年10月1日を目途に、修正テキストでの要介護認定の開始ならびに現在の経過措置を廃止するという結論に至ったことを説明した。 また、今回の要介護認定の見直しについて同常任理事は、「利用者、市町村の双方にとって、大きな見直しであったにもかかわらず、事前の周知が十分であったとは言い難く、結果として現場に大きな混乱を招いた。この点について、厚生労働省に猛省を促し、今後、見直しを行う際には利用者や市町村の立場に立って、十分時間を掛け、事前の検証や周知を求める」と同検証・検討会でとりまとめたことを述べるとともに、この結論は、日医会員も関与している「介護認定審査会の視点から見ても評価できるもの」と考えるとの見方を示した。さらに、10月以降の要介護認定実施状況についても、検討会に報告を求めていることを加えて述べた。 ◆問い合わせ先:日本医師会介護保険課 TEL:03-3946-2121(代) |
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