白クマ
日医白クマ通信 No.1175
2009年9月11日(金)


定例記者会見
勤務医の健康と支援のあり方に関する調査 病院・医師に7カ条を提案
―今村聡常任理事

定例記者会見


 今村聡常任理事は、9月2日の定例記者会見で、勤務医の健康支援に関す るプロジェクト委員会(委員長:保坂隆東海大学医学部教授)が「勤務医の 健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査」(日医白クマ通信1099 号参照)を取りまとめたことを公表し、その概要を説明した。

 本調査は、現代の勤務医のストレス状況や健康状態を把握するため、勤務 医の健康に関する状況について把握することと、勤務医が求めている改善に 関する項目を明らかにすることを目的として行われた。今回、日本医師会に 所属する勤務医1万人を対象に調査票を送付し、3,879人から有効回答を得 た。

 調査結果の要旨は以下のとおり。

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  • 2人に1人が、休日が月に4日以下であった。月に8日以上の休みが取れていたのは、男性で18%、女性で32%であった。

  • 病床数が増えるにつれ、平均睡眠時間が減る傾向があり、休日も少ない傾向があった。

  • 2人に1人は半年以内に1回以上患者からの不当なクレームの経験があった。

  • 2人に1人は自身の体調不良を他人に相談しないと答えた。

  • 6%が1週間に数回以上、死や自殺について考えていた。

  • 9%の回答者がメンタルヘルス面でのサポートが必要と考えられた。

  • 医療機関における勤務医の健康支援のために必要と思われる改善策については、「医師が必要な休日(少なくとも週1日)と年次有給休暇が取れるようにする」(89.1%)、「医師が必要な休憩時間・仮眠時間を取れる体制を整える」(87.4%)、「医療事故に関する訴えがあった際には必ず組織的に対応し、関係者が参加して医師個人の責任に固執しない再発防止策を進める」(89.1%)、の改善策に多くの勤務医が「必要だと強く思う・必要だと思う」と回答した。

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 また、同常任理事は、今回の調査結果を踏まえて、病院に向けて提案する「勤務医の健康を守る病院7カ条」、医師に向けて提案する「医師が元気に働くための7カ条」を定めてリーフレットを作成したことを説明。そのなかで、「一般的に見れば当然のことかも知れないが、その当然なことがなかなか実施出来ない環境にある。医師個人だけではなく、病院全体として対応し、医師を孤立させない環境づくりが必要」と述べた。本リーフレットは、多くの目に触れるよう、医師会、病院団体、学会等を通じて配布する予定。

(調査結果や7カ条の詳細については、日本医師会ホームページを参照)

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121(代)
◇関連資料はこちら⇒会見資料PDF(3.1MB)報告書PDF(8.2MB)


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