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「ワクチン接種に当たっての日医の考えを説明」 ―飯沼常任理事 |
当日は、冒頭、上田博三厚生労働省健康局長が、「新型インフルエンザの大規模な流行に備えて、医療体制の整備を急がなければならない。9月中には新型インフルエンザワクチン接種に関する方針を決定したいと考えているので、本日は、忌憚のない意見を聞かせてもらいたい」とあいさつ。その後、厚労省事務局から、9月4日に公表した「新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチンの接種について(素案)」の説明があった後、出席者がそれぞれの立場から、素案に対する意見を述べた。 飯沼常任理事は、まず、接種対象者の優先順位について、日医の考えと一致しているとして賛成する意向を表明。そのうえで、ワクチン接種に当たっての要望として、(1)有効性・安全性の確立のために、早急な治験の実施とその結果の公表、(2)ワクチン接種の副反応に対する国による被害救済制度の確立と接種者の免責、(3)流通面での現場の混乱の回避、(4)低所得者だけではなく被接種者全員への費用面に対する財政支援、(5)妊婦へのワクチン接種が、季節性と新型で違うことによる混乱を防ぐための添付文書の改訂―等を示し、その早急な実施を求めた。 この要望を受けて、厚労省は、健康被害への補償に関して、新政権発足後に政府部内で検討したいと回答。また、治験については、輸入ワクチンについても最低100例の治験を行い、そのデータを公表する意向を示した。さらに、添付文書の改訂に関しては、「海外における情報も収集しながら、添付文書を改訂するのか、説明文書をつけるのか検討したい」とした。 そのほか、出席者からは、優先接種対象者との関わりの深い介護施設職員や保育士へのワクチン接種、医療機関ならびに被接種者の負担軽減のための同時接種の実施の検討を求める意見が出された。 また、多くの出席者からは、優先接種対象者とされた「基礎疾患を有する者」の疾患の範囲や重症度による優先度が示されていないことから、社会的な混乱が生じることへの懸念が示された。 ◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代) |
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