白クマ
日医白クマ通信 No.1198
2009年10月30日(金)


定例記者会見
「平成21年度医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所入学・卒業状況調査結果を公表」
―羽生田常任理事

定例記者会見


 10月28日の定例記者会見で、「平成21年度医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所入学・卒業状況調査結果」を公表した。

 本調査は、今年4月に、各助産師・看護師・准看護師学校養成所における入学・卒業状況の実態を把握することを目的に実施したもので、平成17年度からの経年変化の分析、准看護師課程については、人口区分による分析も行った。

 各課程の概要は以下のとおり。

 (1)准看護師課程:毎年学校養成所数が微減しており、入学状況の推移を見ると、定員も17年度の1万2千人から21年度は1万4百人に減少している。しかし、今年度の倍率を見ると2.0倍に上昇し(平成20年度1.7倍)過去5年間で最高倍率となり、定員充足率も100%を上回った。また、入学者の最終学歴の割合の推移では、高校新卒者が年々減少し、高校既卒者は53.0%、短大卒・大卒者は16.9%にのぼり、全体の約7割を占めている。

 人口区分による分析では、人口が少ない地域ほど、男子生徒(約20%)や勤労生徒(約60%)の割合に増加が見られた。

 これに関連して、看護職を目指す社会人が増えていることに触れ、「一旦社会に出てから看護職を志す道としての准看護師課程の役割は大変大きい」と説明。

 (2)看護師2年課程:減少傾向にあるが、地域の看護職確保のため、3年課程に変更して養成を行っている医師会も多い。定員充足率では、平成17〜19年度は100%を超えていたが、今年度は94.6%にとどまった。理由として、通信制へ進学しているケースや、進学せずに准看護師として地域医療の現場で活躍していることが考えられる。また、不況のあおりによる経済的理由により、進学をあきらめるケースなども考えられる。

 (3)看護師3年課程:毎年、学校養成所数は増加している。本課程で特徴的なのは、入学率が80%を下回っていることで、これは、大学・短大の併願者が多いためと推測される。また、最終学歴の割合では、高校新卒者が減ってはいるが55.9%を占め、一方で高校既卒者(約30%)や短大・大卒者(約16.2%)の割合が増加している。

 (4)助産師課程:地域の産科医療崩壊の危機を背景に、今年度も新たに1校の医師会立助産師学校養成所が開設され5校となった。

 最後に、卒業状況について、平成20年度の卒業率が助産師課程を除くいずれの課程も80%前半にとどまり、卒業延期者も約2〜7%見られた。退学者についても、10〜15%程度いるものと推測される。「地域の看護職の確保のため、いかに卒業延期者、退学者を少なくするかが今後の課題である」と述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)
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