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定例記者会見 「平成22年度診療報酬改定に対する日本医師会の要望」 ―中川常任理事 |
同常任理事は、まず、本要望書は、財務省に対し、診療報酬の引き上げを主 張している厚労省政務三役に対する応援の意味合いも込めて提出したと述べた。 また、明日(3日)開催される社会保障審議会医療部会にも、本要望書を資料 として提出し、意見を述べる意向を示した。 さらに、都道府県医師会、郡市区医師会にも送付をし、地元選出の国会議員、 特に民主党の議員に対して、医療の実情を理解いただくよう働きかけをお願い したと述べた。 同常任理事は、経済状況や雇用環境が悪化している今だからこそ、「医療を 万全にして、国民に安心感を与えるべき」というのが日医の主張であると強調 した。 また、長浜博行副大臣からは、「前向きに努力する」との発言を得たことに も言及した。 要望書は以下の通り。 「平成22年度診療報酬改定に対する日本医師会の要望」 「基本方針2001」以降の厳しい医療費抑制政策により、医療崩壊が現実化し、 いくつもの医療機関が失われ、外来の休止や病棟の閉鎖が起きている。また、 経済環境、雇用環境の悪化から、受診抑制も懸念される。 身近な医療機関が健全に存続し、国民が経済的負担を心配することなく、 いつでも医療機関にかかれる社会に戻さなくてはならない。 日本医師会は、平成22 年度診療報酬改定にあたり、以下2点を要望する。 1 . 診療報酬を大幅かつ全体的に引き上げること
診療報酬は平成14 年度以降、改定のたびに引き下げられ、平成20 年度まで の累計引き下げ率は7.7% になった。これが今日の医療崩壊をまねいたことは 明らかである。 新政権は、「民主党政策集INDEX2009」に「総医療費対GDP( 国内総生産) 比を経済協力開発機構(OECD) 加盟国平均まで今後引き上げていきます」と 記している。そのためには医療費を約10% 引き上げなければならない。 日本医師会は、診療報酬の大幅な引き上げを求める。 また、医療は急性期医療だけではない。急性期、回復期、慢性期、通院、在 宅医療など、どれかひとつが綻びても、国民は行き場を失う。地域医療全体が 健全化し、より連携を強めることができるよう、日本医師会は診療報酬の全体 的な引き上げを求める。 経済環境、雇用環境に回復のきざしが見られない中、国民が早期受診を控え ているおそれがある。診療報酬の引き上げにともなう国民のさらなる負担増を 避けるため、患者一部負担割合の引き下げも必要である。患者一部負担は、入 院、外来ともに負担が大きいが、まずは早期発見、早期治療につなげるため、 外来患者一部負担の引き下げを優先していただきたい。 社会保障は平時の国家安全保障である。その認識の下、新政権が大胆な医療 政策に転換することを期待し、医療の再生を果たされることを要望する。 以上 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代) |
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