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定例記者会見 規制改革会議「今後の改革課題」について ―中川常任理事 |
同常任理事は、平成22年3月に設置期限を迎える同会議について、「2000年以降、規制改革会議は医療の効率化と称し、混合診療の解禁、平均在院日数の短縮化、包括払いの促進、株式会社の医療機関経営への参入などを主張してきた。特に『基本方針2001』以降、市場原理主義が蔓延し、医療費が厳しく抑制された。その結果が、今日の医療崩壊を招いたことを忘れないでいただきたい」と総括。 そのうえで、「更なる規制改革の推進に向けて〜今後の課題〜」において、再び混合診療の解禁や保険給付範囲の縮小などが主張されたことについて、「大変憂慮される事態であり、遺憾に思う。規制改革会議の設置期限が切れた後は、行政刷新会議の下に後継組織が設置されるというが、今後、誤った議論が蒸し返されないよう問題点を指摘する」と述べ、以下の点を取り上げた。 いわゆる「混合診療」の解禁については、(1)恩恵を受けられるのは、保険外診療分の費用を全額負担出来る一部の人々である、(2)公的保険で受けられる医療の範囲が縮小する、(3)医療の安全性確認は事後検証では遅い―との問題点を指摘。 同会議は、混合診療を「消費者の権利」としているが、公的保険が守るべきは国民の権利であり、目指すべきは、すべての人々のゆたかな生活であるとして、混合診療の解禁はそれとは相反するものであり、断固反対であることを強調した。 医療従事者との業務分担については、医師数の増加を絶対条件として、「医療クラーク」の増員には賛意を示し、「医師事務作業補助体制加算」の施設基準見直しが必要だとした。一方、「診療看護師」(仮称)については、ナースプラクティショナーと同様に、医療の質や国民皆保険堅持の観点(6月3日定例記者会見参照)から、反対であるとした。 協会けんぽの都道府県別保険料など、地方分権による医療政策の在り方については、医療はまさに「社会的共通資本」であるから、すべての人々が平等、公平に医療を受けられることを保障するべきで、地域によって負担と受けられる医療に格差をつけるべきではないとして、日医は全力を挙げて国民皆保険の堅持を目指すことを強調した。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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