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定例記者会見 「平成22年診療報酬改定についての日本医師会の見解」 ―中川常任理事 |
同常任理事は、まず、今回の改定率について、「平成22年の診療報酬改定では、診療報酬全体で0.19%、本体1.55%、医科本体では1.74%引き上げられる方向になり、診療報酬全体のプラス改定は、平成12年以来であり、医療費抑制政策が転換されつつある」と評価した。 また、前回平成20年の改定とはことなり、診療報酬全体0.19%に加え、薬価および医療材料価格改定の財源1.36%がすべて本体改定分に充当され、本体がプラス1.55%改定になったことについては、厚生労働省政務三役が、医療再生のために尽力した成果であるとした。 しかし、0.19%という「小幅な」改定となったことに関しては、「民主党はマニフェスト等で診療報酬の増額を掲げており、医療崩壊に疲弊し、苦悩する医療現場にとって、一筋の光であり、日医も、新政権発足後、診療報酬の引上げにむけて、さまざまな働きかけを行ってきた。しかし、今回示された診療報酬改定率は、医療現場に希望を与える水準ではなく、新政権発足後、新政権に期待を寄せてきた全国の医師、医療現場は、大きく失望し、憤りすら覚える」と述べた。 また、長妻厚生労働大臣が、12月23日の会見で、「小幅であるが、平均的に上げるのではなくメリハリをつける改定を行う」と述べ、再診料や診療科間の配分見直しの考えを示したことにも言及し、医療崩壊、医師の疲弊はそれで解決する次元ではないと指摘。これまで日医が繰り返し述べてきたように、「医療は、急性期、回復期、慢性期、外来、在宅医療が切れ目なく提供されなくてはならない」とする考えを説明し、今後も日医は病院勤務医と開業医の分断、病院と診療所の配分の見直しといった構図に陥ることなく、個別の診療報酬のあり方について、踏み込んだ主張をしていくとした。 さらに、日医は、医療現場のエビデンスを示し、あるべき医療についての提言を行ってきたとして、今後、政府与党が、日医のエビデンス・提言を活用することを要望。それによって、より国民の理解と共感が得られる医療政策を示していけると確信していると述べた。 最後に、同常任理事は「日医はすべての医師を代表し、国民の生命と安心を守る組織であり、その責任と誇りの下、これまで以上に医療再生のため、全力で取り組んでいく」との決意を示した。 なお、この見解は、同日、唐澤人会長名で厚生労働省政務三役宛に提出した。 ◆問い合わせ先:日本医師会広報・情報課 TEL:03-3946-2121(代)
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