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定例記者会見 「平成22年度診療報酬改定に係る中医協での議論に対する日本医師会の見解」 ―中川常任理事 |
まず、同常任理事は、今回の改定で入院、外来別々の改定率が提示されたことについて、「背景に、極めて強い財務省主導が感じられる。また、『民主党政策集INDEX2009』にあったように公的な病院を強化するための地ならしであるとも考えられる」と指摘。日本の医療を再生させるためには、すべての地域、すべての医療機関が健全化しなければならないとして、「医療崩壊の問題を、全体的な底上げではなく、配分の見直しで解決することのないよう強く求める」と牽制した。 また、昨年末に厚生労働省が診療所の再診料を引き下げる方向であるとの記事が報道されたことを取り上げ、今回のリークは、既成事実化のための布石とも受け取られかねず、中医協の権威を踏みにじるものだとして改めて強く抗議するとともに、注意喚起を促した。 中医協総会では、「平成22年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」が提出されたが、中川常任理事はこれに対して、(1)再診料、(2)外来管理加算、(3)入院基本料、(4)療養病棟入院基本料、(5)有床診療所、(6)小児入院医療、(7)在宅療養支援病院―について、日医の見解を改めて述べた。 (1)再診料については、病院の再診料を引き上げて、診療所の再診料に統一していく方向には賛成だが、診療所の再診料を引き下げて統一することは認められないとして、今回の改定では、病院の再診料の引き上げ幅をある程度多くして診療所の再診料に近づけ、次回以降、より高い水準で統一することを提案した。 (2)外来管理加算について今回の改定では、5分要件を撤廃し、その在り方について次回改定に向け、時間をかけて議論すべきだと強調した。 (3)入院基本料の「15対1入院基本料の適正化」については、地方では、急性期医療を担っていても、看護職員等の不足から15対1を算定せざるを得ない病院もあるとし、入院基本料は、全体的に引き上げるべきで、この15対1入院基本料の適正化が引き下げを意味しているのであれば反対だとした。「月平均夜勤72時間以内要件」については、要件を満たせない場合の評価の新設ではなく、要件そのものの緩和を求めた。 (4)療養病棟入院基本料については、適正化が一部引き下げを意味しているのであれば反対だとした。療養病床は急性期医療の貴重な受け皿であり、中長期計画の下で療養病床を維持し、評価は手厚くされるべきであると主張した。 (5)有床診療所については、手厚い看護配置の評価が打ち出されていることに賛意を示したが、重要課題として、A.入院基本料の全体的な引き上げ、B. 長期入院患者への適切な評価(入院期間31日以上の入院基本料の引き上げ)、 C.入院期間14日以内の評価(入院基本料逓減7日以内を14日以内へ)―の3点を挙げ、これらの解決に向け、議論を注視していくとした。 (6)小児入院医療については、提供体制を適切に評価することはもちろんであるが、その前提には全体的な引き上げが必要であるとしたうえで、特定機能病院において小児入院医療管理料を算定出来るようにすることには反対との立場を表明。その理由として特定機能病院が小児科医の確保を進め、地域医療の現場から小児科医が失われかねないことを挙げた。そして、特定機能病院は高度先端医療の提供や教育を担う役割を踏まえ、政策的な財源(運営交付金等)で支えていくべきだとした。 (7)在宅療養支援病院については、そもそもの在宅療養支援診療所の役割を十分議論することなく拡大するのは拙速であるとして、在宅療養支援医療機関の役割に対する議論を深め、そのうえで、病院に拡大する場合には要件を限定的にすべきだとの考えを示した。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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