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第3回医師の団結を目指す委員会 「虎の門病院の小松秀樹氏からヒアリング」 |
第3回医師の団結を目指す委員会が1月22日、日医会館で開催された。 議事は、(1)答申(案)について、(2)「日本医師会生涯教育制度」についての要望(案)、(3)識者からのヒアリング―であった。 役員のあいさつに続き、(1)では、前回委員会で、森洋一委員長(京都府医師会長)から示された答申(案)について協議した。 (2)では、平成22年4月から改正予定の「日本医師会生涯教育制度」について、勤務医が離反しかねない内容であると指摘し、改正の延期と再検討を求める要望書を、委員有志の連名で提出することとなった。 (3)では、虎の門病院泌尿器科の小松秀樹氏が、「日本医師会よ、ともに戦おう―診療報酬よりもっと重要な闘いがある キーワードは規範と実情」と題して私見を述べ、活発な意見交換が行われた。 同氏は、「大野病院事件で、医療界は刑事司法に対し暫定的な勝利を得た」としたうえで、司法や行政が取り締まると医療は破壊されることを強調。自律を担う団体が求められているが、日医はその役割を果たせていないと指摘した。 さらに、「いわゆる医療事故調の厚生労働省第二次試案に、現場の医師の声を聴くことなく賛成し、勤務医の反発を招いた」として、法システムによる医療の徹底管理を狙う厚労省に対峙すべきだとした。 また、公益法人制度改革に触れ、従来の組織形態を温存したまま新組織を目指すのではなく、「医師を代表する公益団体」と「開業医の利益を代弁する団体」を分けることを提案。これに、「勤務医の利益を代弁する団体」として、昨年創設された全国医師ユニオンを加えた「日本医師会三分の計」構想を説明した。公益団体としての新医師会では、患者権利の擁護や、医師の教育、医師の適性審査と処分など、「医師の質向上」に係る業務と、医療政策を規範ではなく実情に基づいたものとするため「医療情報の集積と配信」の業務を行うべきだとした。 さらに、医師を統合するための方策として、「外部に向かって経済的利益にかかわる主張をしない」「理事を直接選挙し、理事が会長を互選する」ことなどを挙げ、考え方を大転換して、日医が時代の先頭に立つことを求めた。 意見交換では、今村(聡)常任理事が、今回の公益法人制度改革について、「官僚が地域の実情に合わない規範を現場に押し付けている制度だ。本当に地域医療を守るための郡や区の医師会は現業を多く行っているために、対応に苦慮している」と指摘。日医においても、開業医、勤務医を問わず、会員のために実施している医師賠償責任保険や医師年金制度が問題となっていることを明らかにする一方、これらを除いては公益法人への移行に支障はないことを説明した。 また、小松氏が提唱した「三分の計」について、三上常任理事は、「医師会は、経営者である開業医が労働者である勤務医を搾取しているとして悪者扱いされるが、実際は国民皆保険のなか公定価格で行っている。私たちも労働者であり、厚労省、財務省相手に労使交渉しているようなもので、医師会自身もユニオンと言える。勤務医については、病院開設者である経営者との間で雇用契約があり、二次的雇用になっている。中を分けるというのは理屈としておかしいのではないか」として、開業医と勤務医の利益を代弁する団体を別個に設けることに疑問を呈した。 木下勝之常任理事は、医療安全調査委員会について、「警察、法務省、遺族がいるなかで、どうすれば一番良いか考えた。厚労省が作ったと言うが、皆で作り上げたものである」とし、批判ではなく、提言することを求めた。 このほか、新型インフルエンザをめぐる日医の対応や、日本医師連盟との関係などをめぐって、議論が行われた。 ◆問い合わせ先:日本医師会庶務課 TEL:03-3946-2121(代) |
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