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定例記者会見 医療IT委員会答申「医療のIT化の光と影」 ―中川常任理事 |
答申は、(1)はじめに、(2)レセプトの電子請求、(3)社会保障カード(仮称)、(4)ORCAプロジェクト、(5)日本医師会認証局、(6)医療のIT化と情報漏えい、(7)地域医療情報ネットワークの事例紹介、(8)おわりに―から構成されている。 (2)では、平成21年11月の厚生労働省令の改正により、「レセプトオンライン請求義務化」が、例外規定を設けたうえでの「電子請求義務化」に緩和されたことについて、中間答申の提言が概ね実現したことを評価しつつも、残された問題として「保険証の即時資格確認」「国保総括表(請求書)等と地方単独公費請求書」「レセプトデータの取り扱い」の3点を挙げ、諸問題に関する議論の継続と解決に向けた働きかけを日医に要望している。 (4)では、開始10年を迎え、日医標準レセプトソフト(以下、日レセ)の導入医療機関数が8千を超えたORCAプロジェクトについて、「日レセの利便性の向上」「データ収集と活用」「今後の展開」について提言を行っており、特に日レセを使った定点調査研究事業へのユーザーの積極的参加を促す活動を行うべきとしている。 (6)では、近年増加しつつある医療機関からの患者情報の漏えいを防ぐために、医療機関管理者の医師向け啓発資料「医療情報システムを安全に管理するためのしおり」を作成したことが報告され、日医で講習会等の啓発活動を実施するよう要望している。 最後に、利便性向上や業務効率化など、IT化の「光」の部分は認めながら、その裏にできる「影」の部分も指摘した同委員会は、国の医療費削減を目的とした机上の空論によるIT化は厳に戒めるべきとして、適切なIT化のために日医の果たす役割に期待を寄せている。 ◆問い合わせ先:日本医師会広報・情報課 TEL:03-3946-2121(代) |
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