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定例記者会見 「医療関係者対策委員会報告書まとまる」 ―羽生田俊常任理事 |
医療関係者対策委員会に対する唐澤人会長からの諮問は「将来を見据えた看護職種の制度・資格のあり方について」であり、本報告書は2年間にわたり検討した結果、取りまとめられたものである。 報告書のなかでは、看護職員不足による地域医療の崩壊を防ぐには、日医が主張する三層構造(看護師、准看護師、看護補助者)の堅持は必要不可欠なものであると指摘。また、准看護師制度を維持するための対応策としては、「募集対象を社会人にまで広げる」「奨学金制度の充実」「行政からの補助金の増額」「実習病院の確保」「専任教員講習の再検討」「母性看護実習の在り方の再検討」「准看護師制度について啓発活動」―等を挙げ、その早急な実現を求めている。 保助看法の一部改正により、病院等の開設者に新人看護職員研修が努力義務とされたことについては、新人看護職員の負担にならないような研修にすべきとしたほか、その実施に当たっては、医療機関への財政支援を要望している。 NP(ナースプラクティショナー)等、新たな職種の創設及び他職種との業務分担については、人体に危害を及ぼす行為を、医師の指示なく看護職員のみで実施することは認められないと指摘。また、教育の裏打ちもなしに業務分担だけが先行すれば、責任の所在があいまいになりかねず、患者を危険にさらすおそれがあるとし、医師不足に名を借りたNPなどの新たな職種の創設には反対する意向を示している。 この問題に関連して、羽生田常任理事は、厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」の報告書の素案のなかで提案された特定看護師(仮称)の法制化についても、日医の見解を説明した。 同常任理事は、まず、今回の提案について、「そもそも今回の検討会は、看護師による診療の補助に関して、いわゆるグレーゾーンといわれるものをどのように法律で担保していくのかということを議論するために設けられたものでり、特定看護師といったような新たな資格を設けることに関しては、これまで議論もされていない」と述べて、厚労省の対応を強く批判した。 そのうえで、同常任理事は、看護師による診療の補助について、新たな資格を設けなくても、平成14年に出された看護師に静脈注射を認めた局長通知のようなものが出れば、現行法のなかでも対応は可能と主張。特定看護師のような資格を法制化し、その資格を有しないものは、これまで地域で一般的に看護師がやってきたことが出来なくなるということになれば、かえって医師の疲弊は進み、地域医療は崩壊するとして、日医はその法制化に断固反対していく意向を示した。 ◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代) |
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