白クマ
日医白クマ通信 No.1265
2010年3月18日(木)


定例記者会見
「医療・医学における死亡時画像診断(Ai)の活用について答申」
―今村聡常任理事

定例記者会見


 今村聡常任理事は、3月17日の定例記者会見で、医療・医学における死亡時画像診断(Ai=Autopsy imaging)活用に関する検討委員会(委員長:池田 典昭九州大学大学院医学研究院法医学分野教授)が、取りまとめた答申の内容を説明した。

 委員会に対する唐澤人会長からの諮問は、「死亡時画像診断(Ai)における、医療・医学的合意と社会的合意に基づいた具体的な展開方法についての提言」であり、一年間の検討結果として、答申が取りまとめられた。

 答申は、(1)はじめに、(2)我が国における死体の取扱いの現状と問題点、(3)Aiの活用に際しての提言、(4)むすび―で構成されており、議論を行うに際し、同委員会が、関係各分野の医師が認識を共有することが重要であるとの観点から、法医・病理・放射線・救急・警察医等の各専門医を含む11名の委員で構成し議論を行ったことを説明。

 また、我が国の現状と問題点について、死体取扱いの流れをフローチャートを作成し解説。死因究明に関する問題として、監察医制度の有無による地域格差などを指摘した。

 さらに、委員会からの提言として、1)「小児」「心肺停止状態で救急搬送された患者など」の死体に対してAiを行うべきであること、2)Aiに関する費用を国庫から拠出するべきであること―を述べ、児童虐待や犯罪性を確認できる可能性や症例検討の積み重ねにより多くの人を救命できる可能性を述べている。

 最後に、医療現場におけるAiについて、臨床医のみならず診療放射線技師の積極的な関与や、専門家育成、ガイドライン策定や、将来に渡ってデータを統一的に集積していく必要があるとして日医が国に提言するべきと結んだ。

 同常任理事は、会見の中で、警察医の連携や、警察庁の死因究明に関する有識者会議へ医師会や臨床医が参画する必要性を述べ、厚労省や関係各所に働きかけを行いたいと述べた。
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