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定例記者会見 「平成22年度レセプト調査4−5月分の結果を公表」 ―高杉常任理事 |
レセプト調査は、本年4月の診療報酬改定の影響を把握するために、日医のA1会員から都道府県別にそれぞれ20分の1を層化無作為抽出した医療機関を対象として行われたものである。その主な結果は以下のとおりである。 総点数の前年同期比は、全体でプラス2.19%、入院でプラス4.44%、入院外でプラス0.50%であった。診療所・病院別では、診療所の入院外がマイナス0.09%なのに対して、病院の入院外はプラス2.34%となっており、対照的な結果となった。 1日当たり点数の前年同期比は、入院でプラス3.23%、入院外でプラス1.05%となっており、診療報酬改定率(入院プラス3.03%、外来プラス0.31%)と同様の傾向であった。 診療所・病院別に、1件当たり日数・1日当たり点数を見ると、外来の診療報酬改定率はプラス0.31%であったが、診療所の入院外1日当たり点数はマイナス0.06%であり、改定の効果は見られなかった。また、診療所の入院外では1件当たり日数もマイナス1.73%であり、長期投薬等の影響が考えられる。 病院の種類別に総点数を見ると、一般病院プラス4.15%、療養病床100%の病院プラス3.75%、精神科病院プラス2.70%であり、今回の診療報酬改定が急性期病院に手厚い内容であったことが表われていた。 一般病棟入院基本料別に入院の1日当たり点数に着目すると、「7対1」がプラス4.13%、「15対1」がプラス0.95%と、特に大きな乖離があった。 本年4月の診療報酬改定による再診料の増減率は、診療所マイナス2.8%(71→69点)、病院プラス15.0%(60→69点)であるが、実際の再診料算定点数の前年同期比は、診療所ではマイナス3.3%、病院ではプラス15.5%であった。 外来管理加算については、「5分要件」を撤廃し、厚生労働省は算定回数が6.0%程度増加すると見込んでいたと推察されるが、実際には増加率は4.0%であった。また、2010年の「再診料+外来管理加算+地域医療貢献加算」の合計点数は、全体で0.4%の減少であった。 明細書の発行を希望した患者の割合(2010年5月時点)では、すべての患者が希望しなかったという診療所が13.0%あるほか、患者の希望はさまざまであった。 後期高齢者診療料に関しては、2008年度・2009年度中に届出をした診療所は10.9%であったが、届出をしても算定しなかったケースもあり、届出をし、かつ算定をした診療所は5.4%に止まった。さらに、後期高齢者診療料を「届出をしたが算定をしていない」医療機関に、その理由を質問したところ、「算定要件がわかりにくかった」「算定の必要性を感じなかった」「患者に説明しづらい」などが上位を占め、いったん届出をしたものの、内容に問題を感じて算定をしなかった実態がうかがえた。 記者との質疑応答のなかで、高杉常任理事は今回の結果は、あくまでも中間報告であり、6月分の結果も加えたうえで、8月には最終的な分析結果を示したいとの考えを示した。 今回の調査結果の詳細は、日医のホームページを参照されたい。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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