白クマ
日医白クマ通信 No.1319
2010年9月10日(金)


定例記者会見
「お泊りデイサービスの問題について」
―三上裕司常任理事

定例記者会見


 三上裕司常任理事は9月8日の定例記者会見で、お泊まりデイサービスの問題について、日医の見解を述べた。

 デイサービスに宿泊機能を設けるお泊まりデイサービスは、8月23日の第29回社会保障審議会介護保険部会において厚生労働省より提案されたが、質の担保の問題から委員より反対の意見が相次いだ。しかし、25日に長妻昭厚労大臣が、お泊まりデイサービスの整備促進費用として100億円を来年度の予算概算要求に盛り込むことを唐突に打ち出したことから、同常任理事は、介護保険部会における同サービスに対する議論を無視するものだとして、「極めて遺憾である」と指摘。

 これに対する日医の見解として、「在宅、中重度者へのレスパイトケアの拡充は多いに必要だが、通所介護の施設に泊まるとなると、質の確保のため、厳しい施設基準や人員配置基準が必要になり、機能上も効率上も無理である」と述べ、通所施設に消防用設備の設置など補助金の手当てをするより、病院や有床診療所、老健など、医療機能を持つ施設でのショートステイを活用するべきだとの姿勢を示した。

 また、現在のショートステイが予約制とされているため、緊急時対応が出来ないことが問題だとして、緊急ショートステイ、小規模多機能サービスの弾力的運用の重要性を強調。劣悪な環境での宿泊になりかねないことから、通所施設における安易な宿泊に警鐘を鳴らした。

◆問い合わせ先:日本医師会介護保険課 TEL:03-3946-2121(代)
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