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第1回第XII次生命倫理懇談会 諮問は「移植医療をめぐる生命倫理」 |
担当の羽生田俊副会長の司会で開会。冒頭のあいさつで、原中勝征会長は、「今般、臓器移植法が改正され、すでに8例の臓器移植が行われているが、改正前13年間に86例ということを考えると急激な増加であり、今後、臓器提供における問題など議論を重ねる必要がある。現在、臓器移植だけでなく、遺伝子医療や再生医療、生殖補助医療など、生命そのものの本質に関わる先進医療の発達は著しいが、残念ながらわが国ではそれを支える生命倫理の基盤は決して確立されているわけではない。私たちは命の尊厳、大切さという基本に戻って生命倫理のあり方を考え、日常の医療に貢献していきたい」と述べた。 つづいて、原中会長は、座長に久史麿日本医学会長を指名し、諮問「移植医療をめぐる生命倫理」を手交した。 久座長は、「臓器移植をめぐってはまだまだ生命倫理の問題が山積している。臓器移植ならびに関連した問題について、2年間ともに考えていきたい」とあいさつした。 会議では、諮問の検討に入る前に、久座長からホメオパシーに関する日本医学会長、日本医師会長による記者会見についての報告があり、次いで藤川謙二常任理事より、「人体の不思議展」の議題提出の経緯が説明された。 「人体の不思議展」については、8月24日の第6回日本医師会理事会で、小森貴理事(石川県医師会長)が、遺体を商業ベースで展示することに倫理的妥当性の疑義があると問題提起したことを受けたものである。 委員からは、パリでの同展の開催に際し、人権団体が中止を求める訴訟を起こし迅速に中止命令が下されたことなどが報告され、「死体解剖保存法」しか法的根拠がない現状では、国外で加工された外国人の遺体を興行的に利用することへの法的規制は望めず、この懇談会の倫理的側面からの議論を経て日医から何らかの見解を表明すべきとの意見が相次いだ。座長は、今後、日本解剖学会、日本生命倫理学会の有識者からも意見を求め、議論を深めたいとした。 諮問「移植医療をめぐる生命倫理」については、脳死と臓器移植、生体移植、渡航移植の問題のほか、遺体由来の幹細胞培養の問題、移植で使用した以外の臓器・組織・細胞の利用など幅広く問題が指摘され、今後それぞれの問題に関して、有識者のヒアリングを行い、議論を進めていくことが確認された。ヒアリング講師の選任を行うなかでは、「移植を受けた患者」からのヒアリングも提案された。 次回の懇談会では、脳死と臓器移植の問題、人体組織移植の問題について議論を行う予定である。 ◆問い合せ先:日本医師会企画課 TEL:03-3946-2121(代) |
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