白クマ
日医白クマ通信 No.1395
2011年3月10日(木)


長野県医師会
「国民が安心して医療を受けられる制度の堅持に係る決議と県議会における意見書の採択」

 長野県医師会では、日本の医療を守る国民運動長野県実行委員会において「国民が安心して医療を受けられる制度の堅持に関する決議」を採択し、長野県議会に、「医療における規制改革とTPPに関する議員提案による意見書」の採択を要望しておりました。

 これを受けて、3月2日の長野県議会本会議において、「国民が安心して医療を受けられる制度の堅持を求める意見書」が提出され、全会一致で可決。衆参両院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣、行政刷新担当大臣へ提出されました。

 これに伴い、長野県医師会においても衆参両院議長等のほか長野県選出全国会議員へ決議文、意見書を提出しましたので、お知らせいたします。

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国民が安心して医療を受けられる制度の堅持を求める意見書

平成23年(2011年)3月2日

 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣   あて
 厚生労働大臣
 行政刷新担当大臣

長野県議会議長
寺島 義幸

 地方自治法第99条の規定により、下記のとおり意見書を提出します。

 政府は、昨年6月に閣議決定した「新成長戦略」の中で、医療・介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として明確に位置付け、現在、行政刷新会議に設置した分科会において、医療に関する規制・制度改革についての議論を行っている。

 このような動きの中で、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への参加については、本年6月を目途に結論を出すこととされている。仮に、原則として例外を認めないTPP協定に参加し、我が国の医療に市場原理主義が持ち込まれることとなれば、外国資本等の参入による営利の追求を優先した高額な自由診療が増加し、国民にとって真に必要な医療を受けることが困難となる事態も想定される。

 我が国は、いつでも、どこでも、誰でも同じ医療を受けることができる国民皆保険制度を維持し世界有数の健康長寿国として発展してきており、将来にわたって、すべての国民に対して安心で良質な医療を提供していくことが求められている。

 よって、国においては、国民が安心できる医療を確保するために、次の事項について実現するよう強く要請する。

1 我が国の優れた公的医療保険制度を維持・発展させるため、医療への市場原理の導入、営利産業化を行わないこと。

2 国民皆保険制度の下、いつでも、どこでも、誰でも公平に受けることができる医療を今後も堅持すること。

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決 議

 

 医療に市場原理主義が導入され、営利産業化されれば、わが国の優れた公的医療保険制度は崩壊し、二度と取り戻すことができなくなる。

 そのため、国民皆保険制度の下、いつでも、どこでも、だれもが公平に受けることができる医療を、これからも断固守り続けていく。

以上、決議する。

平成23年3月1日

日本の医療を守るための国民運動長野県実行委員会

(文責:長野県医師会副会長 伊藤 隆一)

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