白クマ
日医白クマ通信 No.1410
2011年4月1日(金)


定例記者会見
「2010年病院における地球温暖化対策自主行動計画フォローアップ報告」
―今村聡常任理事

定例記者会見


 今村聡常任理事は、3月30日の定例記者会見で、「2010年病院における地球温暖化対策自主行動計画フォローアップ報告」について説明し、計画停電を踏まえた各病院における節電対策として活用することを求めた。

 本報告は、病院における地球温暖化対策推進協議会が2008年8月に策定した、「病院における地球温暖化対策自主行動計画」に関する第3回目のフォローアップ調査として、2009年度(2009年4月〜2010年3月)における数値目標の達成度や温暖化対策の取組状況をアンケート調査したものである。調査対象4667病院のうち、1397病院から回答(回収率29・9%)を得た。

 内容は、(1)フォローアップ等調査編[1. 報告要旨、2. 目標進捗、3. 対策とその効果(目標達成への取組み)、4. CO2排出原単位及び排出量増減の要因、5. 目標達成に係る自己評価、6. 医療用亜酸化窒素の排出削減対策(CO2以外の排出削減対策)、7. 地球温暖化対策の実施状況、8. 地球温暖化対策による病院経営への波及効果、9. 地球温暖化対策基本法案等に関する要望]、(2)アンケート実態調査編、(3)アンケート実態調査票編―からなっている。

 同常任理事は、2009年度のCO2排出原単位の実績が、前年度に引き続き目標とした年率1.0%減を若干下回る1.1%減となったことを報告。重油、灯油などの化石エネルギー使用量の削減と、電力消費量の減少が影響しているとの見方を示す一方、エネルギー転換により、ガス消費量が増加する傾向にあることを懸念した。CO2排出量全体では、前年に比べ3.4%増加したことから、その要因として、病院の延べ床面積が、病院当たりの病床数や、病床当たりの延べ床面積の増加により増えたことを挙げた。

 また、病院における温暖化対策としての主要な取り組みは、「使用時間に合わせて照明点灯」「空調設備の定期的なフィルター清掃」「節水こまの使用」などであったとし、「省エネ活動実施状況のフィードバック票」を各病院における節電対策にも活用することを求めた。

 このほか、政府が成立を目指す「地球温暖化対策基本法案」に関する要望として、国内排出量取引制度や地球温暖化対策税の創設においては、医療機関等の経営に配慮した診療報酬とし、補助金等も創設することなどを盛り込んでいると紹介した。

 今村(聡)常任理事は、「本報告は温暖化対策として得られたデータだが、今回の震災で、政府に病院への油を要請するに当たって、病床規模ごとに必要な量が分かり、非常に役に立つデータとなった。これから夏の計画停電に向かい、どの程度の電力が病院で使用されているか、影響の大きさを理解していただくための資料として活用していく」と述べ、既に計画停電が実施されている地域の医療機関から、問題のあった事例について調査し、東京電力や政府に申し入れを行っていくとの姿勢を示した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121(代)
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