白クマ
日医白クマ通信 No.1468
2011年10月14日(金)


定例記者会見
「不合理な診療報酬項目の見直しについて」
―中川副会長

定例記者会見


 中川俊男副会長は、10月12日の定例記者会見で、不合理な診療報酬項目の見直しについて、日医の見解を公表した。

 同副会長はまず、被災地の復興に全身全霊を捧げるべきとの思いから、5月19日に、当時の細川厚生労働大臣に対し、2012年度診療報酬・介護報酬同時改定の見送りなど5項目の申し入れを行ったことを改めて報告。その際、不合理な診療報酬、介護報酬については、留意事項通知や施設基準要件を見直すよう求めたとし、見直しに向けた日医の基本方針を説明した。

 前回の診療報酬改定では、医療費が大規模病院に偏り、地域医療が危機的状態に瀕していることから、診療所、中小病院に係る診療報酬上の不合理是正を重点的に求めていく方針を強調。また、被災地では患者、医療従事者が大きく移動し、人員配置基準を満たせなくなっている医療機関が少なくないことや、その影響が全国に波及していることから、当面、人員や施設に関する基準の緩和を実施し、今回改定では、施設基準等を要件とする新たな診療報酬項目は創設しないことを要請するとした。

 さらに、地域医療支援病院や特定機能病院のあり方など、医療提供体制上に生じている歪みを是正するための機能の見直しを求めつつも、患者負担引き下げなどの医療制度改革も行うとした。

 中川副会長は、地域ブロックからの意見や会内委員会の議論を踏まえて取りまとめた「診療報酬是正の要望(主な重点項目)」について、今後の検討によって修正があり得ることを前置きしたうえで、(1)再診料および地域医療貢献加算の見直し、(2)同一医療機関における複数科受診時の診療科別の評価、(3)入院中の患者の他医療機関受診の取扱いの見直し、(4)有床診療所の入院基本料の引き上げ、(5)療養病棟入院基本料において複数の疾患等を合併している場合の医療区分の引き上げ、(6)療養病棟入院基本料における認知機能障害加算の再評価、(7)療養病棟入院基本料の医療区分1の評価の見直し、(8)夜勤72時間ルールの緩和、(9)一般病棟入院基本料15対1の引き上げ、(10)特定疾患療養管理料における病床区分の見直し、(11)在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院とそれ以外の在宅点数格差是正、(12)在宅ターミナルケア加算の見直し、(13)コンピュータ断層診断の要件の見直し、(14)処方日数の適正化―の14項目を挙げていることを紹介。

 (1)では、「地域医療崩壊を食い止めるため、診療所・中小病院の再診料の水準を、以前の診療所の水準に戻し、さらに最低でも、前回改定における入院医療費改定率相当の引き上げを求める」とし、地域医療貢献加算は要件をわかりやすく見直すことを要望している。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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