白クマ
日医白クマ通信 No.1515
2012年3月8日(木)


定例記者会見
「乳幼児保健検討委員会答申」について
―保坂常任理事

定例記者会見


 保坂シゲリ常任理事は3月7日の定例記者会見で、乳幼児保健検討委員会が、3月1日に加藤正彦委員長(三重県医師会長)から原中勝征会長に提出した答申について、以下のとおり報告した。

 本答申は、同委員会が会長諮問「保育園保健の充実に向けて医師会はどう関わるべきか」を受け設置した2つのワーキンググループ(「保育園医の組織化・機能強化」「保育施設における保健・医療のあり方」)の検討結果を踏まえて取りまとめたもので、(1)序文、(2)保育園医の組織化・機能強化に関するアンケート調査・分析、(3)保育施設における保健・医療のあり方について、(4)結語―を柱に構成され、巻末に(2)の集計結果と調査票を収載している。

 (2)では、都道府県医師会(47カ所・有効回答率100%)ならびに郡市区医師会(867カ所・同64.5%)に対して実施した「保育園医の組織化・機能強化に関するアンケート調査」によって、保育園保健に関する取り組みに地域差が大きいことが明らかにされている。一方、約8割の都道府県医師会、約7割の郡市区医師会が園医の組織化の必要性を認め、その理由として、1) 園医の質の向上、2) 園医の活動の活発化、3) 地域の情報の共有化―などを挙げている。

 (3)では、保育施設における保健・医療の現状と課題として、母親の就業時間の延長に伴い幼稚園に比べ保育園への入園希望者が増加していることや、0歳児保育・長時間保育が増加している状況に鑑み、より一層の保育園保健の充実が必要であることなどが記されている。更に、「国・地方自治体」「保育施設」「日医」それぞれに対する提言がまとめられ、日医に対しては、1) 園児の健康問題に適切に対処することの出来る園医や看護職員の教育・啓発活動に対する支援、2) 保育士に対する教育的支援、3) 各地域の医師会での保育園医部会の設置の働き掛け―などのほか、国・地方自治体等への積極的な働き掛けが求められている。

 結語では、「これからの子どもたちのために、経済効率を優先することなく、子どもの健全な発育を目指した保育環境のあり方に、医師会として主導的かつ積極的に関わりを持ってもらいたい」とするとともに、すべての保育園に標準的な保育が行き渡るよう、関係者の努力を求める言葉で結ばれている。

 同常任理事は、本答申に対して、「日医としても、会内のコンセンサスを得ながら、これら提言の実現に努力していきたい」との姿勢を示した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)
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