白クマ
日医白クマ通信 No.1518
2012年3月9日(金)


定例記者会見
「精神保健委員会(プロジェクト)答申」について
―三上常任理事

定例記者会見


 三上裕司常任理事は、今期初めて立ち上がった精神保健委員会(プロジェクト)が2年間の審議を経て取りまとめた答申を、3月7日の定例記者会見で報告した。本答申は、原中勝征会長からの諮問「うつ・自殺対策における具体的対応の提示」を受けて、3月1日に高橋祥友委員長(防衛医科大学校教授)から原中会長に提出したものである。

 内容は、(1)かかりつけ医と精神科医の連携、(2)かかりつけ医が知っておきたいアルコール依存症の基礎知識、(3)精神疾患の卒前教育、卒後教育、生涯教育、(4)診療報酬への提言:かかりつけ医・精神科医連携の観点からみたうつ・自殺対策に係る診療報酬について―から構成されており、巻末には参考資料として「精神科診療報酬の現状」を収載している。

 本答申では、自殺の原因として、健康問題、中でもうつ病が最も多くを占めることから、その対策が自殺対策における最重要課題であると指摘するとともに、うつ病患者はまず、かかりっけ医を受診することが多いことから、かかりつけ医における早期発見、精神科医との円滑な連携、精神科医における適切な診療が重要だとして、以下の4つの点(1.かかりつけ医が精神疾患について適切な知識を備えるとともに、地域において精神科医療機関との間で連携を図る必要がある、2.アルコール依存症では、精神、身体、対人関係にさまざまな問題が生じる。アルコール依存症患者が身体的な問題を生じて、かかりつけ医のもとを受診したものの、身体的な問題のみに注目されて、心理社会的な問題に分な関心が払われていないことがしばしばある。したがって、今後はうつ病以外にも、アルコール依存症についての理解が不可欠である、3.精神疾患に関する教育は、医学部における卒前教育、卒後教育、生涯教育の一貫した体制の中で実施する必要がある、4.かかりつけ医と精神科医の円滑な連携が実施可能となるような診療報酬体系が適切に整備されるべきある)に焦点を当て、各節ごとにその対応の詳細を述べている。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)
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